『わたしに』⑭ 最終章 裕久と絵美の場合 | From me

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韓ドラ(ラブコメ)好き

想像考察、創作恋物語、花に寄せたポエム、猫との生活etc…
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 「今日、パパの誕生会をするからお洒落してホテルに来てね。私達はママとお母さんと先に行ってるから」




 「パパこっちよ。ママと私達からのプレゼント。そこの扉を開けてみて」



 扉を開けるとウエディング姿のお前がいた


 「恥かしいから嫌って言ったんだけど…」


 「裕…どうしたの?何か言いなさいよ」

 「…あぁ…(とっても綺麗だ)」

 「入籍だけだったから写真くらいあってもいいでしょ?お母さんのウエディング姿見たいかな?と思って…」

 「……(もちろん見たかったよ)」

 「と言っても、費用は全部ママが出してくれたんだけどね。私達は企画だけ」

 「パパ聞いてる?」

 「……あぁ…最高のプレゼントだ…ありがとう」



 たかが写真を撮るだけなのに胸が高鳴り緊張し…ウエディングドレスというのは不思議な力を持ったドレスだ


 言われるがまま写真を撮り終え、レストランに行くと見知らぬ男が待っていた




 「お父さん!Kさんと結婚させて下さい。お母さんの様にきっと幸せにします」

 「ちょっと待って!いったいどういう事だ?」

 「裕…そういう事。もう一つのプレゼントよ」

 「みんな知ってたのか?」

 「そういうものよ。周りから固めていって、最後に父親に許しをもらう…」

 「Kが幸せになるのならパパは何も文句はない。だけど、泣かせるような事をしたら絶対に許さない」

 「パパそれは大丈夫。パパみたいな人と結婚しようと思っていたから、一番にパパを育てたママに会ってもらって、パパを一番よく知っているお母さんからもOKをもらった」

 「お母さんなんか“パパよりかっこいいかも”なんて言ってたよ」

 「そんな事言ったのか?」

 「でも愛してるのはパパだけよ」

 「もう~やめてよ。人前で」

 「でも淋しくなるなぁ」

 「まだ私がいるからいいでしょ?でもどうせパパは、お母さんがいてくれたらそれだけでいいんでしょ?」




 「父にも花嫁姿を見せてやりたいから呼んでいい?」
 と言うので招待状を送り、喜んで出席させていただくとの返事をもらった



 初めて“夕”でお前に会った日、お前もこんな気持ちだったのだろうか?

 “父親は父親”と解かってはいてもなぜか淋しい気持ちになった


 「でも、バージンロードはパパと歩きたいから練習しておいてね」
 と言ってくれた





 別れた父親の彼には悪いが、今日俺は娘の手を取り、“花嫁の父”の気持ちを存分にかみしめた


 式は本人たちの希望で、媒酌人をつとめてくださった婿殿の会社の森村社長の挨拶と、祝辞は娘の会社の松浦社長のみで後はパーティを楽しんでもらいたいからという事になった


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