『初めての恋』② 愛し 別れ そしてめぐり逢った | From me

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韓ドラ(ラブコメ)好き

想像考察、創作恋物語、花に寄せたポエム、猫との生活etc…
雑貨屋さんのようなブログです。
来てくださって、読んでくださってありがとうございます。

 その時、携帯がなった
 俺のではない
 あっ、さっきの彼女の携帯だ
 とっさに出てしまった


 「あの…どなたか解かりませんが、拾ってくださってありがとうございます。その携帯の持ち主です。今どこに?取りに行きますので教えて下さい」

 

 「さっきぶつかった者です。持って行きますのでさっきの場所で」


 電話を切り俺は駆け出していた
 


 「人希、A子を送ってくれ」


 「おい、兄貴どこへ行くんだ」


<真珠の場合>
 「人希、A子を送ってくれ」
 俺はいったい何をしているんだ?パーティの途中だぞ。最後までエスコートが残っているだろ?取りに来るよう言えばいい話じゃないか?たかが携帯のために…

<仁希の場合>

 「おい、兄貴どこへ行くんだ」
 いったい何があったんだ?
 あの兄貴が、女性のエスコートを途中でほおり出して帰るなんて…



 その人はさっきぶつかった場所で待っていた


 「遅くなって…」


 「いいえ。取りに行ったのにわざわざ持って来て頂いて…本当にありがとうございます」


 「僕で良かったね。悪い奴に拾われなくて」


 「本当にありがとう。“お礼にお茶でも”と言うのも迷惑でしょうし、言葉でしかお礼出来ませんが本当にありがとうございました」


 「言葉はいいから、お茶をご馳走してもらえませんか?」
 (おい何を言っているんだ?)


 「私は構いませんがご迷惑じゃないんですか?披露宴か何かの途中じゃないんですか?」


 (この街では、この格好は披露宴に見えるんだ…)


 近くの喫茶店に入ることにした



 「怪しいものじゃないよ。いきなり“お茶をご馳走して”って充分怪しいか…?僕は、森村真珠。この世に生まれてすぐから育ててくれたシスターが付けてくれた。珠のような男の子って言うでしょ、そんな感じだったらしい。企画会社をやってて、今日はその仕事関係のパーティがあったからここに来たんだ。君はこの街の人?」


 「私は、松下えりか。名前負けしてるでしょ。歳はたぶん貴方より年上かな?生まれも育ちもこの街よ」


 それから時間も忘れ、仕事の事、趣味だの楽しみだの色々と話した

<真珠の場合>
 俺は今日どうかしている
 何故初対面のこの人に、自分から誘ってこうして自分の事を喋っているんだ?
 仁希しか知らない生い立ちまで…
 しっかりしろ!俺らしくないぞ
 どうしちゃったんだ?



 「やだ、もうこんな時間…ごめんなさい…忙しいでしょうに長話になってしまって…今日はどうもありがとう。気をつけて帰ってくださいね」


 「せっかく知り合ったんだから、番号教えてくれる?」


 「“携帯持ってないの”って嘘はつけないわね…でもたぶん私出ないわよ」


 「いいよ出にくい時は出なくて」

<真珠の場合>
 おい、何を言ってるんだ?
 自分から番号なんか聞いた事ないだろ?
 聞いてどうするつもりなんだ?

<えりかの場合>
 悪い人じゃなさそうだけど、電話がかかってきても困るなぁ…
 別に悪い事をしてる訳じゃないけど…


 私は、松下えりか
 地元の高校を卒業後就職し、そこで知り合った人と結婚して別れた

 
 彼女が俺の事を警戒しているのは良く解かった…彼女は結婚暦はあるが多分夫はいない…だけど彼女はその事を決して口に出さなかった


 「じゃぁさようなら。今日は本当に助かりました。ありがとうございました」


 「じゃぁ。また電話していいですよね」



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