空を見上げると曇天模様。
それでもオレは走る。走るために生まれてきたのだから。オレは単なるサラリーマンだが。
走り出すとポツリと少し小さめの雨粒がオレの頬を濡らす。
一雨降るな、野生の勘がオレに知らせる。
でも構わない。
雨も滴るいい男、という言葉がある。
これはかつて孔子が、スーパー帰りにずぶ濡れになっているオレの姿を見てつぶやいた言葉だと言い伝えられている。知らんけど。
雨に濡れるのも悪くないな、フッ、と微笑を浮かべ走り続ける。側から見れば気持ち悪いおっさんだろう。
雨に濡れることもなく、無難に6km走った。