仕事で訪れた滋賀県。


 この日のお昼は「近江鰻処 うな松」さんへ。


 運ばれてきた瞬間、思わず息をのんだ。 漆塗りのお重が、静かにそこに鎮座している。


 開ける前から、なんだかただごとじゃない予感がする。 



…さて、何が待っているんだろう。










どーんと横たわる、一本の鰻。


 …長い。

そして、艶やかすぎる。


 1日6尾限定と聞いて、なんだか自分がとても運のいい人間に思えてきた。 


漆黒のお重に鎮座する鰻を見た瞬間、仕事のことは、すべて忘れた。 。


タレの艶よ、なんだこの色気は。

 口に入れた瞬間、ふわっとほどける柔らかさと じんわり広がる甘辛いタレに、思わず目を閉じてしまった。 


午後の仕事も残っているのに、 この鰻に、今日のすべてを持っていかれた気がした。 


これは…反則では? 


これは「食べる」というより、「体験する」一品だった。










2品目(笑)


そしてこちらも、期待を裏切らない登場だった。










「ひつまぶし松(太丸一尾)」。 


最初はそのまま。次は薬味を添えて。最後は出汁をかけてお茶漬けに。

 一つの鰻で、三回感動できるって、なんてコスパのいい幸せなんだろう。


 特に最後のお茶漬けが反則で、 さらりと流れる出汁の中に、鰻の旨みがじんわり溶け出して 「あ、これ終わりたくないな」と本気で思った。


 ごちそうさまでした。また来ます、絶対に。










満腹になった帰り道、


ふと立ち止まった琵琶湖のほとりで 思いがけず、息をのむような景色に出会った。 


沈みゆく太陽が湖面に溶けていくように、 

オレンジ色の光がゆっくりと広がっていく。 


美味しいものを食べた後に見る夕陽は、なんだか特別だった。 


旅って、仕事の中にも、ちゃんと潜んでいる。


 次はどんな景色と美味しいものが待っているんだろう。