運ばれてきた瞬間、思考が止まった。
白く輝くうどんの上に、ベーコン、オリーブの実、そして小ネギ。
隣には天ぷらの軍団が整列している。
…これは、うどんではなく、作戦会議である。
オリーブ釜玉、という言葉に、最初は戸惑った。
うどんにオリーブオイルとは、いかなる発想か。
しかし一口すすった瞬間、すべての疑問が消えた。
オリーブオイルの芳醇な香りが、うどんのコシとツルツル感に寄り添い、
釜玉の黄金色が、それを優しくまとめ上げる。
これは革命だ。静かで、美しい革命だ。
大葉天ぷらというものは、
なぜこれほど清々しいのだろうか。
衣をまとった大葉が、箸の上でひらりと揺れる。
口に入れた瞬間、大葉の爽やかな香りが広がり、
天ぷらの油とのバランスが、実に見事だ。
脇役のつもりで頼んだが、
完全に主役を食っていた。
かしわ天ぷらとは、
つまり鶏の哲学である。
ザクザクとした衣の中に、柔らかな鶏肉が潜んでいる。
噛んだ瞬間、肉の旨みが溢れ出し、
オリーブ釜玉のコクと混ざり合った。
…この組み合わせを考えた人間は、天才である。
半熟卵の天ぷら、
という存在について、私は考えさせられた。
割った瞬間、とろりとした黄身が現れる。
これをうどんと絡めた瞬間、
釜玉のまろやかさがさらに一段階、深みを増した。
卵とは、偉大である。
どんな料理にも溶け込み、すべてを豊かにする。
最後に、さつまいもが静かに主張してくる。
ほくほくとした甘みが、口の中でじんわりと広がる。
天ぷらのサクサク感と、さつまいもの素朴な甘さ。
この素直さが、実に愛おしい。
…デザートか、と思った。いや、これは立派なおかずだ。
【最後に一言】
オリーブ釜玉うどんとは、
イタリアと讃岐が、静かに握手をした一杯である。
次に来た時も、また頼む。
断言できる。





