おにぎり二つ、二つきり | 人生は野菜スープ~アエリエルのブログ、または午前0時&午後3時毎日更新の男

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元職・雑誌フリーライター。バツイチ独身。午前0時か午後3時に定期更新。主な内容は軽音楽(ジャズ、ロック)、文学(現代詩)の紹介・感想文です。ブロガーならぬ一介の閑人にて無内容・無知ご容赦ください。

 食欲がないわけではないけれど、たいしてあまり食べたいものがないという時には、おにぎり二つに味噌汁を添えてそれで十分と済ませてしまうこともあります。何も食べないよりはずっとましで、食事を抜くとそのまま食欲不振につながる恐れがありますから、いわばバトンのリレーのように何とかつないでおくのは大事です、

 こんなスーパーのおにぎりを見ると、次女が誕生した折に長女と毎日産院に見舞いに行った頃を思い出します。保育園に迎えに行き、ちょうど夕食を食べる時間に持参したお弁当で、妻の入院食と一緒に長女に夕食を食べさせました。その産院は生後すぐ、退院までの一週間、新生児は保育器で別室の保育室で看護する方針だったので、まだ2歳半の長女は窓越しにずらりと他の赤ん坊たちと並ぶ保育室の妹を見ても、何だかわからないようでした。持参したお弁当はスーパーでその都度見つくろっていたので、おにぎりで済ますこともありました。おにぎりが大好きな長女は、「わあい、おにぎりだあ」と外装ビニールも剥がさずかじりついて「あれえ?」と目を白黒させ、同室の産婦さんたちの微笑みを誘ったりしていました。毎日帰り際に大号泣されて参りましたが、妻が退院間近には毎日空模様があやしく、珍しく泣きもせず「パパ、早く帰ろう」という日は自転車で帰宅する最中に突然降りだしたどしゃ降りの雨に濡れて帰ったこともありました。妻が赤ん坊を連れて退院するため迎えに行って、自宅に赤ん坊が来るとやにわに自分の妹とはっきり認識して有頂天になったか、保育園でも大威張りで吹聴したらしく、父または母が赤ん坊を抱っこして保育園に送迎するごとに、「アカネちゃんの妹だあ!」と同級生に群がられては「そうよ、可愛いでしょう?」と自分が産んだかのように(実際、妻の妊娠中に、「赤ちゃんが生まれてくるの、アカネちゃんのお腹に赤ちゃんがいるの」と、まだ2歳児ならではの、ママと自分を同一視する言動がありました)と、ご満悦な様子だったのは、本人はもう忘れているとしても、父親にとっては楽しくもあれば、それから20年以上も経つ現在、切ない思い出になりました。子どもが天使でいられる期間はせいぜい5~6歳までのことでしょう。そのようにして月日は過ぎ、成人して社会人となった長女・次女にとっては、父親が記憶に刻んでいるそんなことなどもはや何の価値もないと思うと、それもごく順当に思えます。