手首(手首だけ)の陰干し | 人生は野菜スープ~アエリエルのブログ、または午前0時&午後3時毎日更新の男

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元職・雑誌フリーライター。バツイチ独身。午前0時か午後3時に定期更新。主な内容は軽音楽(ジャズ、ロック)、文学(現代詩)の紹介・感想文です。ブロガーならぬ一介の閑人にて無内容・無知ご容赦ください。



 筆者の住んでいるアパートは急斜面の途中に建っていますが、坂道を折りきった所に町工場があり、道側にはトラックの駐車場と倉庫が建っています。工場の窓にはマネキン工場の看板があり、たまに通るとマネキンの人体パーツが倉庫の入口に陰干ししてあったりします。工場の従業員の方が駐車場を喫煙所にして煙草を喫っていることが多いのでいつもはさっさと通りすぎますが、先日は無人だったのでマネキンの手首が陰干ししてある光景をスマホのカメラに収めてきました。

 川端康成の「片腕」ではありませんが、人体もパーツだけだと妙な不気味さを感じさせるもので、これをオブジェとしてリヴィングの飾りとするような人がいるとしたらかなりの変わり者に見られるでしょう。特撮テレビ番組「ジャイアント・ロボ」(1967年10月~1968年4月)にグローバーという手首だけの巨大破壊兵器ロボットが敵役として登場する回がありましたが、「ジャイアント・ロボ」にはトゲの生えた巨大球体だけや巨大目玉だけだったり、巨大な顎だけだったりする敵役兵器ロボットなど、ゴジラ的な爬虫類形態だけでなく、奇想天外な敵役兵器ロボットが次々登場するのが人気でした。巨大球体ならともかく、巨大手首だけのロボットなど人間味(?)を残しているだけになおのこと不気味で印象に残りました。

 マネキンの手首自体はごくありふれたもので、造形的にも展示用にもパーツごとに製造されて、衣装を着せる際に組み立てる、というのは合理的なものです。しかし服飾関係や彫刻関係の仕事の方以外にはこうしてマネキンの手首だけ見る、といった機会は滅多にないわけで、筆者も恐る恐る写真に収めてきましたが、何か見てはいけない物を見てしまったような気がします。