引っ越しからまる二週間が経ちました。現在住んでいるアパートは木造二階建て築48年、再来年の契約更新時には築50年になると思うと、いつまで住んでいられるか今から思っても仕方ないので、その辺りは考えないことにします。倉庫か小工場と見まがうばかりのアパートの外観については、これまでの引っ越し日記で触れました。昭和50年築ならば当初トイレは和式、2LDKある6畳相当と4畳半相当の居室2間も畳間だったと思われますが(実際物件案内の図面ではそうなっていました)、トイレも洋式、キッチンだけでなく居室2間もフローリングに張り替えてあります。筆者は病気療養中の障害者かつ生活保護受給者なので保証会社の審査が困難で、また生保受給者には賃料も上限額があるので(自治体や世帯人数によって異なりますが、筆者の場合は4万1千円です)、賃貸物件入居困窮者専門の不動産屋にようやく見つけてもらって、取り壊し退居せざるを得ない前のアパートからの退居期限に間に合わせるには「もう他には物件がありません」と、選びようのない条件で転居してきたのが現在のアパートです。筆者が内見に連れてこられた時にはつい先週に前の住人が転居したばかりで、壁紙が破れたり襖に穴が空いたりシンクに鉄錆が付着していたりしたので、補修や清掃が済んで入居できるのは半月後、ということでした。前の住人はおらそく若夫婦とまだ幼い女の子だったんだろうな、と去年の「デリシャスパーティ♡プリキュア」のシールがあちこちの壁や柱に貼ってあることでも想像できました。このくらいの間取りなら、まだ学齢期前で子供部屋が要らない三人家族なら十人でしょう。せめて数軒の候補物件から選びたかったのですが、他は保証会社審査が通らない物件ばかりだったのです。それまで住んでいたワンルームのアパートもかなりの築年数が経っているとはいえ、一応鉄筋のしっかりしたものでした。もっとも階段が素通しでないだけ雪が積もった時はなかなか溶けず、二階から滑り台のように滑り落ちたりしましたが。

補修・清掃完了の時点で再び内見しに訪れました。壁紙も張り替え、襖も取り替えてあり、シンクは張り替えまではされていないものの綺麗に錆落としされていました。プリキュアのシールなどは残してあっても構わなかったのですが、壁紙の張り替えごと処分されたのでしょう。不動産屋さんが言うには、アパートの補修や清掃はすべて大家さん自身が行っているとのことで、とすればトタン張りの外装も、工業用錆び止めペンキを塗りたくったような階段も、すべて大家さんの仕業ということになります。前に住んでいた鉄筋アパートは少なくともこれほどではありませんでした。良く言えば手作り感、悪く言えば木造アパートなど住めればこれでいいだろう投げやり感が漂います。広いだけは取り柄なので毎日少しずつ整理して、6畳間相当の部屋を図書室、四畳半相当の間を居間兼寝室にしつらえずつあります。猛暑の日曜日の今日も筆者は近所のスーパーにお弁当を買いに行ってきましたが、二階の自分の部屋にぎしぎしと軋む階段を上り下りすると、ああ今の住居はこのアパートなんだなあとつい二週間前まで住んでいたアパートを思い出すのです。