変わった指揮者の音楽会 | 遠い夏に想いを

遠い夏に想いを

アメリカ留学、直後の72年の夏に3ヶ月間親子でパリに滞在。その後、思い出を求めて度々訪欧。

 9月15日に国立オリンピック記念青少年総合センターで開催されたフランス音楽の夕べに行ってきました。とてつもなく面白い音楽会でした。面白いって、指揮者の女性がとっても面白い。


 近所のクリニックで働いている人の紹介でした。彼はアマチュアのファゴット奏者でこの楽団にも所属しています。


遠い夏に想いを-チラシ  マルグリット・フランスという日本在住のフランス人女性が主宰する日本人による室内管弦楽で、彼女が指揮をしています。彼女はパリ国立高等音楽院卒業して、スイスロマンド管弦楽団にも所属していたことのあるヴァイオリニストです。











遠い夏に想いを-レッスン  話によると、彼女と話す時はフランス語でしか駄目ということらしくて、皆さん苦労しているらしいです。日本語はペラペラなんですが。トリオやカルテット、小規模の室内管弦楽などのアンサンブルのレッスンをやっているようです。「ソルフラン国際音楽教室」という名前で教室を東京の千駄ヶ谷で開いていますが、どのようにしてレッスンするのか不明です。



遠い夏に想いを-楽団  このリテー管弦楽団の今日のプログラムはビゼー、フランク、サンサーンスなどのフランス音楽でした。背の低い老齢のご婦人が出てきました。腰が曲がって少し前かがみです。歳は86歳くらいでしょうか。しかし、元気そのものに驚かされます。


 圧巻は、2曲目のフランクの交響的変奏曲が終わった時です。この曲はピアノが入るのですが、彼女、楽屋に戻ってピアニストを連れて舞台に現れました。彼女の腕にはヴァイオリンがありました。「えっつ、弾くの?」って思った瞬間、彼女は口を開きました。はっきりした日本語です。


 「私は人を驚かせるのが大好きでね。今日もピアノの伴奏者がいるのでヴァイオリンを弾きますよ。フランクのヴァイオリン・ソナタの3と4を弾きます」
ピアニストは慌てて「3だけです」と反論。


 「じゃ、3だけね」と言って3楽章を弾き始めました。往年の力強さはないものの、滑らかで、優しさの溢れた演奏でした。勿論、拍手、大喝采いは言うまでもありません。プロとはいえ86歳の女性がヴァイオリンを弾くなって信じられないことです。まあ、前回のブログに書きました世界的なヴァイオリニストのギトリスさんは90歳ですから驚くに当たらないのかも知れません。


 最後のサンサーンスの曲を終ええて、彼女が前に出てきました。「もっと、拍手を、楽団員のみなさんに。音楽は一人では出来ないのですから」と腕をぶんぶん振り回します。この破天荒な振る舞いに、聴衆はやんやの喝采を送っています。しかし、如何せん、800席くらいあるホールに100人位しか来場者がいませんから、いくら拍手してもたかが知れています。


 兎に角、ノーマルな楽員団と変わった指揮者のコンビで楽しい音楽会でした。


 Viosan の「ミネソタの遠い日々」
1970年に私たち夫婦・子供連れでミネソタ大学(University of Minnesota)へ留学した記録のホームページにもどうぞ