そこは出口ではないが
ある種の理想論に近づいている
川のほとり
そこまで行けば
三条大橋まではもう歩いていける
三条大橋を
走ってくる靴音は
今でも覚えているよ
「待った?」
君の面影もまだ残っているよ
アルバムには入れていないけど
コンバースの空き箱に
手紙と一緒に
写真があるから
「 手紙書いたら ちゃんと返事ちょうだいよ 」
「 写真も送ってね 」
君の声も
両耳をつなぐ弦が
まだ忘れていない
そこは出口ではないが
ある種の理想論に近づいている
川のほとり
そこまで行けば
三条大橋まではもう歩いていける