三条大橋 | 男の喫茶店

男の喫茶店

昔、日々の中で書き留めていた詩やエッセイに手直しをしながら載せていきます。

そこは出口ではないが 

ある種の理想論に近づいている


川のほとり


そこまで行けば

三条大橋まではもう歩いていける



三条大橋を

走ってくる靴音は

今でも覚えているよ


「待った?」



君の面影もまだ残っているよ


アルバムには入れていないけど

コンバースの空き箱に

手紙と一緒に

写真があるから


手紙書いたら ちゃんと返事ちょうだいよ


写真も送ってね


君の声も

両耳をつなぐ弦が

まだ忘れていない



そこは出口ではないが

ある種の理想論に近づいている


川のほとり


そこまで行けば

三条大橋まではもう歩いていける