最強のペグと言われたら、誰もが思い浮かぶ
snowpeakの「ソリッドステーク」というペグ。
今回はこの「ペグ」と「ペグハンマー」のお話。
正直、このペグ。
私がキャンプやりたての頃には、全くその存在すら気にもしていなかったギアである。
テントを買うと勝手についてくる、この「ペグ」と呼ばれる金属の棒は
テントやタープ設営後に、地面と幕を固定するためのもの。
当時、テントを買うと同梱されているこのペグを眺めては
「君達は本当に必要なのかい?」と思っていた時代がある。
というのも、「無知故」にこのギアに関しての重要性をさほど気にしていなかったのである。
※ハンバーグでいうところのクレソンか
※カレーでいうところの、らっきょうか
※はたまた、ラーメンのスープに浮かぶ「ナルト」的ポジションのように
正直、それがなくてもメインをおいしくいただける存在というものは
いたるところにあったりする。(※みんな大好きです)
テントの中に荷物を入れておけば風で飛ばされることはないだろう。
四つ足で自立しているタープなら、重いフレームがあるから転倒なんてしないだろう。
強風?
突風?
そんなの滅多に吹かないし。
「ペグなんて大袈裟だよ」と。
遥か数十年前ではあるが、
私がこの「ペグ」という存在を「完全に舐めていた」時代である。
得てして、こういう者には自然の洗礼を受ける機会が必ず訪れる。
その日、いつものように河原でタープを張り、BBQをしていた時の事。
せっせと設営が終わり「ペグは後で打てばいいか」などと
とりあえず椅子に腰を下ろし、タバコに火を点けた途端!
数メートル先にタープが吹き飛ばされ、汗だくでタープを回収した経験がある。
当然フレームは折れ曲がり、天幕を張ることもできずで散々。
この一瞬の気持ちの甘えが悲しいキャンプの思い出となってしまった。
この時、人や物が近くになかっただけ幸いで、
あの勢いのまま、金属のポールなどがお隣さんのサイトや
人に当たるのを想像しただけで、ゾッとする。
以降、私はこの「ペグ」という存在を見直し、
設営後には、必ずペグダウンを心がけるようにしている。
(最初から説明書に書いてあります・・)
この日から、もう大切なタープが飛んでいって、慌てて幕を回収するような事はないにしても
この「ペグダウン」
最も重要になってくるのが「優秀なペグの選定」である。
まずテントやタープとセットになっているアルミペグとプラスチックハンマーだけは別途買いなおした方が良い。
これらを使用して一度でもキャンプに行けばわかるが、
付属のペグとハンマーだけでまともに自在ロープを固定できないフィールドは結構ある。
付属品とはいえ、メーカーさんがきちんと製造しているものに文句を言いたくはないが、
正直この付属のペグとハンマーは、どのフィールドでも使える万能なものではない。
整備されていない河川敷や、どこぞのサバイバルキャンプなどでは
地面よりわずか数センチ程度のところでペグが止まり
無理に打てばペグが折れ曲がることはざらである。
刺さる→曲がる→無理に打つ→曲がった状態で固定。
この作業を毎回余儀なくされるとこのペグダウンも流石に苦行となる。
そこで出会ったのが、同メーカーでもある「ソリッドステーク」
「ソリステ」などと略される事があるこの「鍛造仕上げ」のペグは
どんな硬い地面にも刺さるいわゆる「最強ペグ」である。
ソリステに関しては今回は割愛するが、これとほぼ同時期に入手した
「ソリステ専用」のハンマーがこちら
「snowpeak ペグハンマーPRO.C」
こちらもベースの素材が「鍛造仕上げ」なのだが、
ヘッド部分のみ「銅」になっていて、打ち込む際にその衝撃を先端の「銅」が緩和してくれるというもの。
銅は柔らかい金属のため、打ち込んだ際の「跳ね返り」がとても小さいのだ。
この銅ヘッドでソリステを打ち始めたら、正直とても他のペグハンマーは使えなくなる。
一定時期でヘッドは交換しなければならないが、その打ち心地は抜群。
年間どの程度キャンプに行くかによるが、交換時期は目安としては2~3年に一度か。
こちらの「ペグハンマー PRO.C」をお持ちの方はご存じかと思うが、
ヘッドが消耗品とは言え、一度その打撃を味わったら、しばらく「無駄にペグダウンしたくなる」
それほどの逸品である。
そういうわけで、先月行ったキャンプでのペグダウンを最後に、
今回はこちらの「ペグハンマーPRO.C」のヘッド交換にチャレンジ!
ヘッドを購入すると、ピンを打つためのピンパンチと、新しいピンが一緒に入っているので
まずはこちらを使って、古い方のヘッドを外していく。
交換の詳細は動画をご覧ください。
========================================
★snowpeak(スノーピーク)ペグハンマーPRO.C ヘッド交換(Youtube)
========================================
※動画の概要欄に各アイテムが購入できるリンクが貼ってあります。
============================================================
また、付属のピンパンチが折れてしまった方は、
「口径の合う工具」を使えば抜くことができるので
諦める前に、まずは「強そうな何か」を探して打ち込んでみると良い。
(※この日は3mmの六角レンチを叩いても抜くことができた)
しかし、注意しなければいけないのが、打ち込んでいる方、この場合だと、「六角」の方である。
こちらがまた今度抜けなくなる可能性があるので、そこだけ注意していただきたい。
あまりに無理して打ち続けていると、今度は「この六角を抜く地獄の作業」が待っている。
六角が抜けたら、また今度は・・・と永遠にペグハンマー内で「何かを抜く」作業が続いてしまう。
そんな暇はない!
まぁ、最悪スノーピークに持っていけば、交換してくれたっていう記事を見た事があるので
どうしてもの場合は、素直にメーカーへ持っていくのも手だ。
無事にヘッドの交換が終わったものの、この見事にぶっとんでいる「ハンドストラップ」
せっかくなので、今回はこちらのストラップを「レザークラフト」で自作してみた。
まず、用意するのは、こういったA4サイズの牛革(厚さ1.3mm)
A4サイズを最長で作っても仕上がりサイズが13cm程度となるため
仕様としてはフィンガーストラップのような形になる。
幅は約2cm程度、カッターでカットして、はじっこを内側に折りたたむ。
固定したい部分を決めたら「はとめ」打って完成。
この「はとめ」だが、
初めてレザークラフトをやる方は「ピンパンチ付きのセット」があるので
こちらを購入したほうが良い。
土台から革抜きまで一式入ってるので、まずはこの手のセットを購入して
自分用のアクセサリーやキーホルダーなどをひとつ作ってみると、結構簡単にできることがわかる。
次に余った革で、レザーグリップを作っていく。
切り出しサイズは、縦10cm、横11.5cmでカット。
このA4サイズ1枚があれば、ストラップとグリップ両方つくれてしまうので
どこぞで販売してるレザーグッズを買うのもいいが、自分で作れば更に愛着が湧く。
グリップは、革紐を編んでいくので、まずはこの革に下穴をあけるために
こういった「回転式のピンパンチ」が使える。
おおよそ端から5mm程度の所でマークした後は、そこから1cm単位で均等にマーク。
(この紐の間隔はお好みで)
マークしたところに先程のピンパンチを打っていく。
購入した「革紐の直径が1.5mm」なので、下穴はちょっと大きめの「2mm」を確保。
このサクサクと穴をあける作業が結構楽しい。
全ての穴をあけ終えたら、革紐を通していく。
紐の結びは、普通の靴紐と同じ様に、交互に通していく。
最後の穴まで紐が2本通ったら、エンド部分を「スネークノット」で結んでいく。
「スネークノット」とは、ロープワークのひとつで、編み目が「蛇の様になる」ことからこの様に呼ばれている。
(つゆ結びとも呼ばれる)
簡単かつ、美しい結び目を演出できるので、覚えておくと遊びの幅が広がる。
こちらのロープワークについてはまた改めて。
グリップ内部は接着剤で固定したほうががっちり決まるが
この状態でもしっかり皮紐を結んでおけば、抜ける事はない。
ちなみに改造前と比較するとこんな感じ。
やっぱり自分で作ると愛着が湧く。
ヘッドの交換で新品の打撃感が蘇り、
レザークラフトによる改造で、より安定したグリップを実現。
自分と共に歩んできたギアを、10年経った今でも更に改めて使い続けられるという喜び。
メチャクチャに使い倒した銅ヘッドには交換した日付を書いてみた。
次の交換時に何年使ったか思い出せるので、これは記念にとっておこう。
決して新しいギアが買えないわけではない。
買いたくないわけでもない。
気に入ったギアを新調するのも良い。
ただ、アウトドアの愉しみは、こういった道具を使い続ける時間の中にもあるという
そんなお話。
まだまだよろしく 「ペグハンマーPRO.C」
皆さんも素敵なアウトドアライフを。
★Youtubeでアウトドア動画を配信しています。
★メインサイト: FIELD DISCOVERY(公式)