虫顔これくしょん No.21 | 弘前大学 フィールドサイエンス研究会(F研)

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弘前大学公認サークル「フィールドサイエンス研究会」(F研)のブログです。 弘前大学を拠点に,海・川・山林で生物の観察や採集をしています。
毎週月曜日18:00~農生棟203で定例会を行っています。

 こんばんは、佐藤(仁)です。
 
 関東の方では既にオオミズアオが出たようです。
 南東北以南では春と夏の2度、成虫が出現しますが、私の知る限り一番早かったのが2014年4月29日 (福島県南部) でした。
 関東で今出たということは、東北南端でもそろそろかな……?
 温暖化なのか偶然なのか自分にはわかりませんが、私も早く会いたいです。
 

 さて、今回からはハチさんです。
 もう女王バチが出てる地域もあるかも。
 オオスズメバチの女王はすごく大きいから、自分も1匹捕って見たいのですが……さすがに怖くて勝てません。
 いや、まぁ、『触らぬハチに祟りなし』っていうから、あんまり難しくて危険なことはしちゃいけないんですけどね。
 
 最初はシダクロスズメバチ (Vespula shidai) です。
 

 顔の真ん中にある黒い下向き矢印が特徴です。
 シダクロスズメバチ (V. shidai) ・クロスズメバチ (V. flaviceps) ・ツヤクロスズメバチ (V.rufa) は一様に「下向き矢印」をもちますが、クロスズメバチでは矢印の先が顎の方まで届かず、矢印の先端がきれます (その為矢じりが台形になります) 。
 シダクロ・ツヤクロスズメバチは共に顎辺りまで矢じりが届くので、この2種は腹部の模様で同定します。
 
 
 ところで。
 中部地方をはじめ日本の山間部ではクロスズメバチなどの「蜂の子」を食べる伝統があります。
 特に人気のある食べ方の一つに、蜂の子の混ぜご飯「へぼ飯」があり、愛知・岐阜・長野県などで御馳走とされている……そうです。
 確かに長野土産で「蜂の子の瓶詰」が売られていましたが、小さい瓶で4ケタするあたり、やはり高級品なのでしょう。
 蜂の子の甘露煮は私も好きなんですけどね……。(´・ω・`)
 
 
 次はムモンホソアシナガバチ (Parapolybia indica) です。
 全面的にほぼ黄色一色。あまり黒い模様がありません。シンプルな顔つきです。
 
 
 
 ……これがシンプルだとして、では他のアシナガバチはどうか、というと……。
  (※以下のアシナガバチの写真は、撮影者がビビッて捕獲までできなかったため、遠くから撮影したものを拡大しています。そのため画質が粗いです。ご了承ください。)
 
 
 これがキボシアシナガバチ (Polistes nipponensis) の奥様で・・・・・・
 
 
 
 こっちがよく私の実家の近くに越してくるコアシナガバチ (Polistes snelleni) の奥様。
 
 ……他のアシナガバチだと、複眼の上あたりが濃褐色~黒になります。
 ムモンホソアシナガバチだと茶色程度で、薄めです。

 ちなみに。
 先ほどのハチさんたちの、かわいいお子様のお顔はこちら。
 
 
 こっちがキボシベビーで、
 
 
 
 こっちがコアシナガベビー。おかあさんといっしょ。
 
\    どこが目でどこが口なのか   /
   \  さっぱりわからない! /
       \ごめんなさい!/
 
 
 次はミツバチ (Apis sp.) です。 (※セイヨウミツバチなのかニホンミツバチなのか分かりませんでした。)
 ……撮影した時に「セイヨウ・ニホンの同定は後翅を見る」ってのを知っていればよかったんですけどね……当時ひよっこだったもので……。
 

 アシナガバチやスズメバチに比べて、頭部の毛が多く、顔全体に生えています。

 ……うーん、このふさふさはやっぱり花粉の付着とかを意識してるのでしょうか ?
 肉食のハチの頭部は、どうも毛が少ない種が多い気がするし。
 

 今回はここまで、残りは次回に続きます。
 
 
 
 
 
文責: (2年前に春山でオオスズメバチの女王に決闘をしかけてみた) 佐藤(仁) (結局逃げられた)