気になってる事 | 池袋フィールドのブログ

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ライブハウス 池袋フィールドです。
アーティストとしても活動中の店長・山石敬之が
日々の出会いやエピソードを語っていきます。

今回は日頃フィールドの出演者を見ていて
気になる事を具体的に並べてみよう。
結構たっぷりあるので、きっと君も「引っ掛かる」

 

①「音が小さい」
男女問わず声も楽器も音量が小さい人が多い。
「ウイスパー系」の女性ボーカルでも
音量やアタックがしっかりしている人もいる。
スタイルの問題では無い。
楽器に関しても、小さい音で丁寧に弾く事も大事だが、
ピアニシモからフォルテシモまで表現してこその「音楽」だ。
ダイナミクスは、大きく正確に、が出来てはじめて生きる。
そして楽器はある程度音量を出して鳴らさないと良い音は出ない。
歌に関しても、身体をしっかり響かせれば、当然音量は上がる。
結果上手い人は輪郭のしっかりした「圧倒」する音を出している。

 

②「ギターのチューニングがひどい」
これはレベルの差が如実に出る。
やはり上手い人は当たり前にチューニングが良い。
チューナーに頼っても、押さえ方、カポなどでもズレる。
実際弾いてみて確認すべきだし、
変だったら即直してから演奏に入って欲しい。
もしそれに気付かないようなら、それはミュージシャンとは言えない。
日々の練習時からチューニングは徹底して合わせる習慣を付けよう。

 

③「セットリストを決めていない」
これが一番分からない。
決めてないとはイコールそのライブへ向けたリハーサルをしていない、
準備をしていない、という事になる。
曲の置く位置次第で、それぞれの曲の聞こえ方も意味合いも変わる。
30分でも45分でも、その中で最高のエンターテイメントを作って欲しい。
その為の第一歩は、曲を曲順を決める事だ。
そしてその流れで実際リハをしてみて、イメージ通りのステージになるか、
録音、録画をして確認して欲しい。
短いステージでもそれくらい取り組んでる奴に、勝てると思うか?

 

④「セットリストが変」
そしてやっと決めたセットリストの意味が分からない場合も多い。
入りから出まで、ストーリーや印象付けの工夫をしなくては、
極論、ライブを演じる意味が無い。
得意の曲からスムーズに入り、新曲を紹介しながら、変化球を入れ、
バラードで落とし、待ってましたで盛り上げて終わる、くらいの流れは作って欲しい。
もちろんそれがワンパターンに陥りたく無いから、
アーティストは曲順で悩む。
新しい並べ方で、毎回新鮮な感動を作るためのセトリの工夫を怠るな。

 

⑤「楽屋でいつまでも練習してる」
本番日にライブハウスに入り、リハを終えた後、
楽屋でいつまでもギターを弾き、練習している人が結構いる。
新曲が不安なのだろう。
「昨日出来たばかりなので」と言う。
「?」。そんな状態で本番におろして良い訳がない。
バッチリにしてから本番を迎えよう。
新曲が無くてもやたら練習する人もいる。
一体昨日は何をしてたんだろう?
セットリストもそうだが、事前の準備が全てを決める。
楽屋で必死になってる奴を見ると、
本気で音楽で生きていく覚悟は無いんだな、と思う。

 

⑥「本番直前喋ってる」
一方やたら余裕の人もいる。
共演者と和やかに談笑している。
その事自体は良い。楽しそうだ。
だが、本番直前は集中しなくて大丈夫か?
つまりはステージをナメている。
これから未知のオーディエンスを掴みに行く、という
勝負の時間が始まるというのに。
そんなヘラヘラな状態で大丈夫というのは、かなりの自信家だ。
私には到底出来ない。
ステージは怖い。何が起こるか分からない。
よく「魔物が棲んでいる」と言う。
毎回が勝負だと思うのなら尚更だ。
せめて直前5分間くらいは、自分を見つめ、集中しよう。

 

⑦「譜面や歌詞を見ている」
歌詞や譜面をいつまで経っても見てる人も多い。
自分の作った曲をどうして覚えられないのだろう?
しかも曲数は5〜6曲だ。そんなに曲も入れ替わってない。
練習を重ねればイヤでも覚えるはずだ。
当然ながら見ての演奏では客席を見れない。
つまりは攻められない。掴めない、という事になる。
一体何しに来たんだ?
特に信じられないのは、次の曲に行く時にパラパラと探している。
せめて曲順に並べれば良いじゃないか。
それすらもメンドくさいのか?
ここでも準備不足が露呈する。

 

まだまだあるのだが、今回はこれくらいにしておく。
とにかく言いたい事は、
しっかりとした準備をして本番に臨んで欲しい。
短いステージでも毎回が勝負だ、という覚悟を持って欲しい。
健康面、精神面、楽器の状態なども含め、
最高の状態を作る工夫を怠らないようにして欲しい。
客席にいるオーディエンスは有料の客だ。
1円でもギャラを受け取るのなら、そこには責任がある。
ステージに立つとは、遊びじゃないんだ。
魂を削る作業なんだ、という信念を
ぜひ胸に刻んで欲しい。