三枝 匡氏と伊丹 敬之氏の対談形式の”「日本の経営」を創る”をやっと読み終えた。
今頃、読み終わったのかと突っ込みを入れられるかもしれないが、本当に内容の濃い本だなと実感をする。
アメリカと日本の経営方針の違いから始まり、三枝氏が書かれた「V字回復の経営」の裏話や後日談的な話、伊丹氏の論理的な話など、いろいろな視点を得られて読んでいても面白い。
読み終えての感想を簡単に書けば、会社を発展・成長させ、組織を腐敗・停滞させない為には、従業員の”熱き心”が必要不可欠であり、それをどうやって燃え上がらせるかが難しいところ。
そして、本の中にも書かれてあるように”熱き心”は、鍛え上げれば身に付くものではなく、その人の個性や性格も関係してくるので、対応が難しい。
”熱き心”は、誰しも持っているのだと自分は思うが、その表現の仕方は、人それぞれ。
同じ目標に向かっていながら、表現の仕方が違うがゆえに、温度差があるように表面上でみられることがあるのではないかと思う。
そのあたりの事を調整して、共有・共感できる場を創り出すのがリーダーの役目の一つではないかと思う。
だから、リーダーは、一人だけ先頭を突き進むのではなく、チームのメンバーの事を把握しておく必要があるのではないかと思う。
とは言え、リーダーは、他のメンバーより、熱き心を持たなくては、誰もついていこうとは思わないだろう。
リーダーの熱き心が、ドミノ倒しのようにメンバーに伝わり、チームの目的意識が一つになり、相乗効果を生みだすのだろ思う。
本の中に、経営者の役割は、リーダーと代表者と設計者ではないかと書かれてあった。
リーダーは、人間集団の求心力の中心。
代表者は、社会に対して組織を代表して物申し、かつ責任をとる人。
設計者は、戦略の設計、組織の設計、そうした経営構造の設計する人。
本の中では、ホンダの本田宗一郎氏と藤澤武夫氏を例に挙げて簡単に説明していたが、思わ納得してしまった。
宗一郎氏は、生まれ持った高いカリスマ性で求心力の中心になり、社会に対して常に物申し、責任をとる立場にいた。
それに対して、藤澤氏は、表舞台にはめったに出てこず、将来に向けての組織設計、経営戦略を練り、宗一郎氏に提供してきた。
中小企業であれば、社長と他の従業員は毎日顔を合わせたり、意思疎通も比較的行われ、社長の熱き心も伝わりやすいが、会社組織は、大きくなればなるほど、末端まで社長の熱き心は伝わりにくいもの。
ゆえに、中間の人達がカギを握るのではないかと思う。
そう考えると、組織設計は、会社の成長・発展に占める重要性は高いのではないかと感じる。
どこにでもあるピラミッド型の組織は、型にはめやすく、簡単かもしれないが、それでは、何も生みだす事が出来ないのではないかと思う。
従業員一人ひとりの目を輝かせ、熱き心に目覚めさせる組織構造・人材育成が、これから求められるのではないかと思う。
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