携帯サイトの「幸之助de人間力UP塾」に出されてていた設問の中に松下 幸之助氏の言葉で、
「冷静に物事を考えてな、それからそっと情をつけや」
と言うのがあった。
解説では、冷静にというのは、何ものにもとらわれず、素直に考えて判断する事。
しかし、素直に冷静に考えるという事は、必ずにも温かい判断になるとは限りません。
「泣いて馬謖を斬る」と言う言葉があるように、全体のためには、ある人を切らなければならない時がある。
そういう時には、気の毒だが断固として切らなくてはなりません。
それをやらなければ、組織全体が悪くなってしまうからです。
しかし、そんな時にもその人に対して、どれほどの感謝の気持ち、情を持てるかどうか。
そういう気持ちがないと、切った事が全体のためにもならず、その人のためにもなりません。
結局は、自分も恨みを買うだけ、と言う事になり、誰のプラスにもならないのです。
やるべきはやる。
しかし、それだけではなく、そのあと心を添えてあげる、気配りをしてあげる。
とある。
この言葉を読んで、感じたのは派遣切りをやった大手企業の経営者には”そっと情をつける”と言う部分が欠落していたのではないかと思う。
グローバル化に伴う経営手法により、忘れ去られてしまったのか、分かっていながらあえて無視しているのか分からないが、この”情”にこそ、日本的経営手法の根底にあったのではないかと思う。
先日の”たかじんのそこまで言って委員会”に出ていた江口克彦氏は、パナソニックの大規模な人員削減に関して、経営者も辞めるべきだと言っていた。
いくら外的要因であれ、情をつける事が出来ないのであれば、仕事を奪われ生活不安に陥った人達の痛みを少しでも分かち合うために、経営から身を引く事が企業のトップの情のつけかたではないかと思ったりする。
それにより、責任逃れと見られるかもしれないが、その後の社会的活動によっていくらでも評価を変える事は出来るのではないかと思う。
日本の経営手法の根底にあったのは”情”であって、それこそ日本の経済発展に貢献してきた源ではないかと思う。
それが、グローバル化に伴い市場が大きくなるに従って、口では現場重視、人間尊重などと言っておきながら、利益優先・生産性の向上・効率化など、数値でしか表わす事出来ない事に焦点を置いてしまってきたのではないかと思う。