TVカンブリア宮殿1.5時間スペシャル「売れない時代の流通の王者たち」(http://www.tv-tokyo.co.jp/cambria/bn/080922.html )
流通スペシャルとあったが、見ていて思ったが流通には関係気がする。
今回のゲストは、大型店は、”A-Zあくね”の社長である牧尾英二氏。
A-Zあくねはある場所は、九州にある漁業の町阿久根市。
人口2万5,000人。
駅前の商店街は、過疎地に見られるようなシャッター通り。
そんな街にある東京ドーム3.5個分と言う広大な土地に全国で初めて大型店で24時間営業を導入したショッピングセンター”A-Zあくね”。
過疎地にもかかわらず集客数は、年間650万人。
売り場面積は1万7000㎡、アイテム数、35万個。
集客数が多いのは理由の一つは、価格が安いだけでなく、お客さんに選択肢をたくさん提供していること。
田舎と言えば、物価が安いという印象があるが、実際、競争相手がいない過疎地。
お店側も、それがわかっているから定価販売をする。
競争原理が、働いていない典型的な状態なのではないかと思うが、その反面、過疎地ゆえに、お客さまの絶対数が少ないことも関係しているのではないかと思う。
もともと、弟のホームセンターの経営が悪化し、その再建を任された牧夫氏だったが、そんな状況を見て、全国各地の大型店からコンビニまで見て回った結果、24時間営業であり、年中無休の大型店にたどりついたと言う。
専門家の絶対に失敗するという予想をくつがえし、繁盛をした。
さらに、開店から四年後には、交通手段がない人のために買い物バスを運行している。
そして、身体障害者と60歳以上のお客さんが、A-Zの証明書を提出すれば、買い物金額の5%を返金してくれる。
お店側は年間一億円以上の出費。
そんな牧夫氏は、利益第二主義。
「一番気にしなければならないのは、お客さん、生活者にとってどうあるべきか、どうすべきかと言うことをおおいに気にしたほうがいいと思う。
売り上げを追っかけるとかね、利益を追っかけるとかは、それは後の結果で。
お客さんから”ありがとう”を言ってもらう。
もっと言ったら、お客さん強制的に言わせる、そういう店でありたいなと思うんです。」
さらに利益第二と言う事に対して、
「どうしてもですね、利益を考えますと、効率問題入ってくる。
効率問題入っていきますと、当然、商品管理に入ってくる。
そすると、今の世の中と言うのは、小売業もそうかもしれませんけど、ある面では管理社会的なとこがあって、何もかも管理しないと上手くいかない的な風潮があるような気がするんですよね。
われわれ、小売業とは「マニュアルを覚えたら、ちゃんとしたプロの営業マンになれますよ的な流れがあって、小売業に限らず製造業もそうですし、あるいは教育問題もそうです。
ところが実際は、マニュアルだけではお客さんのニーズと言いますか、社会のニーズには応えられないところがあるんです。」
と語っている。
人を相手にする職業にとって、マニュアルはあくまでも基本的な仕事の流れを説明しているものにすぎない。
当り前の事だが、お客様、一人ひとり、考え方も違えば、好みや趣味が違う。
それなのにマニュアル覚えたら接客のプロになれるなど、無理に決まっている。
多くの接客をし、さまざまな考え方、価値観、好みや趣味に接することで、さまざまなお客様、一人ひとりに気配りが行き届いたサービスが出来るのではないかと思う。
そのためにも、自分の視点でお客様に接するのではなく、相手の視点に立って、接することが大事なのだが、仕事と言う事で、数字を、利益を追ってしまうと、どうしてもお客様の視点を見失いがちになるのだと思う。
そして、A-Zのアイテム数が多いことに対して、
「小売業とは、在庫管理が生命線と言われて、今まで先輩の皆さんに怒られたんですけど。
当時は、私、社員の皆さんに言ったのは、先輩の皆さん方が、効率をコンピューターで管理し、効率的な仕事を、小売りをされている。
そこでその、「これは効率が悪い」とか、「これは死に筋だ」とか言って、捨てられたそういう商品をよくよく検証していくと、でも、生活には必要であると。
「効率問題」とか「儲かる儲からない」とか言う問題は脇に置いといて、赤字でない限りは、出来るだけいろんな物を揃える。
そして、値段もできるだけお安くすると。」
と語っている。
そして、A-Zの売り場の面積が大きいのは、
「地元の皆さん方の要望に一つでも多く応えていきたいと。
実はそのことが商品を揃えて言ったら巨大な面積になっちゃたんですね。」
と語っている。
今の時代、効率のためにコンピューター管理はどこでも行っている。
そうすることで、人員削減を行い、人件費削減を行っている。
その弊害として、忘れ去られた商品も、A-Zでは置いていることになる。
これは、買う側としては、行けばきっと、欲しい物があると言う安心感につながるのではないかと思う。
そして、これは、お客様の引き寄せる要素になっているのだと思う。
これも、あくまでもお客さま視点に立ち、お客さまの生活のことを考えているからこそ続けられることだと思う。
いろいろ見て回った中で、コンビについては、
「コンビニとは、典型的な管理小売業なんですね。
当時は、品目が3000~5000品目くらいで、すべてコンピュータで管理している。
まさしく、効率小売業の典型的な例なんですね。
ただ、私が疑問に思ったのが、コンビニもどんどん店数が増えて、売り上げも上がって、利益も上がって、そういうなかでですね、店頭に出す価格が定価のままと言う。
もともと日本は、世界の先進諸国からみて、当時としては物価が高いと。
小売業のほとんどの先輩の方々が、「価格に挑戦をして、価格破壊をして、流通革命をやる」と言う皆さん方でしたから。
その方々が、コンビニに限っては定価のままでお売りになっていると。
それも、売り上げも上がって、儲かってもそう言うのは変わらないという事で、そこに非常に疑問を持ちまして、だから、A-Zの生まれる一つの背景として、それが根っこにあるかと思います。」
と語っている。
今のコンビニ業界は、生き残りをかけて、さまざまな商品開発を行い独自の商品を発売しているので、価格に関しては一概には言えないかもしれないが、各店舗のオーナーとしては、競争相手が数百メートル間隔にいては、価格を安くすることは、おいそれとは出来ないのではないかと思う。
もともと、コンビニに求めることと言えば、身近にあり、日常品ならある程度揃うであり、価格の安さを求める人は、そんなにはいないのではないかと思う。
販売価格が安いという事は、仕入れもかなりの金額を抑えなくてはならない。
そのために、多くのスーパーではバイヤーと言われる担当者が問屋と交渉して仕入れる商品を決めるのに対して、A-Zではバイヤーを無くし、売り場の責任者が直接が仕入、売値まで決める。
ここのでのポイントは、売り場責任者と言う事になる。
売り場とは、お客様と接することが出来、声を聴ける場所。
お客さんが、今何がほしいかを直に聴いているからこそ、ニーズに合った仕入れをすることができる。
A-Zでは、お客さんが欲しいと言われる商品を仕入れてしまうので、醤油だけで約200種類ととんでもない数になってしまっている。
一般食品主任の大田さんは、最近は、原材料の値上げラッシュにより、即席ラーメンが439円に値上がったことに対して、
「これを199円で売りたいんですよね、ホントは。
お客様が、今、なんもかんも物が上がって、本当に生活しづらい状況なんで、これぐらいは、「今のうち買っておいた方が得ですよ」と言うお客様への感謝のプライスですよね。」
と語っている。
それは、昔からの社長の教えである、
「消費者が困っているときはお手伝いをしない。」
を守るために、問屋と交渉した結果、交渉の結果、239円で販売することができた。
一つの商品を目玉商品として、激安に設定した場合、コンビニなどから、問屋に返品された商品である処分品をうまく使い、目玉商品の赤字分をカバーする方法をとっている。
仕入れる商品に関しては、
「ほとんど、商品を構成するときに一番優先するのは、地元を優先するんですね。
まず、地元の生産者、製造メーカーさん、問屋さん、ここらを優先して店を商品構成してくださいと。
よく「利は元にある」と言う言葉あるんですけども、仕入れ先さんも、ある面ではお客さんになったりするんですね。
卸している一方で、店を利用されることもある。
特に地元の生産者やメーカーさんや問屋さんもそうですけども。
そっちを大事にするという事は、結果的には、お客さまのほうへ良さが伝わるという事になる。」
と語っている。
地元の生産者、製造メーカー、問屋さんを優先して、商品構成を行う。
これも、成功した要素の一つではないかと思う。
食品、日常品なら、誰でも買う。
しかも、地元であれば、買いに来る可能性が高い。
ある意味、お互いを助け合う関係を築いているのではないかと思う。
A-Zでは、中古車も販売している。
しかも、ほとんどが走行距離が少ない新古車。
新古車ゆえ、新車同様だが新車に比べて安く売られている。
さらに、オプションであるドアバイザー、フロアマット、泥除けを付け、ガソリン満タンで納車。
普通なら、ありえないサービス。
これも、ただ、売るのではなく。
お客さんに少しでも喜んでもらおうという考えのもとに行っているのだろうが、これでは、ほとんど利益が出ない。
そのため、スタッフの人数をぎりぎりまで減らし、一人でなんでも行っている。
A-Zでは、今では珍しく社長が手渡し。
しかも、正社員だけでなく、パート、アルバイトの全員である600人以上に支給するという。
手渡しと言うのは、社員とのコミュニケーションをとるためもある。
正社員とパート、アルバイトの待遇については、
「基本的には、わたしは、差は無い方が良いと思っているんです。
それは、なぜかと言いますと、店に来られるお客様は、パートさんとか、アルバイトさんとか社員さんとか関係ないんですよね。
そうすると、お客さんからみると、パートさんとあろうとも、アルバイトさんとあろうとも、求めることは同じなんですね。
そうすると仕事のなかみは同じなんですよね。
小売業では、よくパート比率とか言葉が出てくるんですけども、あれは、ある面ではパート比率を高めるという話があるんですけども、これは、ある面では、先輩の皆さんに怒られるかもしれませんけども、労働の搾取じゃないと。
たとえば、パートさんでも、フルタイマー1日7時間、社員と同じに働いておられる。
そうすると、差は付けない方がいいんじゃないかと言う事で、ほとんど差は付けていない。」
と語っている。
パート、アルバイト、派遣は、さまざまな業種には欠かすことが出来ない存在になっているが、その待遇や給料は、正社員とは差別をされているのが現状。
牧夫氏のように考える経営者の方が多ければ、労働に関するトラブルはかなり減るのではないかと思うが、経営を預かる責任者としては、難しいところではないかと思う。
もともと、人件費を削減するためのパート・アルバイトであり、派遣なのだから。
A-Zあくねのような成功が、どこの地域にも出来るとは思ってはいないが、その良い点を見習う事で、新しいアイデアが生まれてくるのではないかと思う。
死に筋商品に関しても、人口密度が高い場所で、客層に合った物を置くことで、買う人は多いのではないかと思う。