Y2フィルター | fidealのブログ

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モノクロフィルムで撮影をして、色を意識するというのも

おかしな話ですが、カラーは当然色がありますから、色で

色を伝えることができます。



モノクロの場合は、白と黒の諧調(濃淡)で色を伝える訳

ですが、ある特定の波長をカットしたい場合、モノクロ用

フィルターが重宝いたします。



では、何故わざわざ特定の波長をカット、すなわちフィルム

に感光させないようにする必要があるのか、実例とともに

ご紹介したいと思いますが、あくまでもこのような効果が

あるという話で、フィルターを使うかどうかは、撮影者側

が、どのように色をモノクロで表現したいかに委ねられるも

のでありますので、ご参考までにということで。



モノクロフィルムで撮影をするときに、常用フィルターと

してよく使われるのが、こちらのイエローフィルターです。


r0274



このフィルターは、480nmから下の波長をカットする

フィルターで、色で言うと青から紫外線までフィルムに感光

しないようにしてくれるフィルターです。



では早速実例です。


下の写真で、青系の色を探してみると、水色の建物と青空

ですね。


r0271



まずはフィルター無しで撮影をしてみます。



daily4026



次は、イエローフィルターを使って撮影をしてみます。



daily4025


水色の建物部分は、若干諧調が濃くなっていますが、

フィルター効果がよく現れているのは、やはり青空の

部分ですね。



諧調が濃く出ており、写真全体のコントラストを上げて

締まった印象になっています。




それでは、より効果の高い被写体での実例です。

下の写真はビールケースですが、注目していただきたい

のは、ORION SOUTHERN STARという青色の文字です。



r0273


まずはフィルター無しで、



daily3962



次は、フィルター有りで、



daily3961



フィルターを使うと、ORION SOUTHERN STARという文字が

フィルター無しよりも、諧調が濃く出ることにより、くっきり

と文字が浮かび上がっていますね。

ビールケース全体も、やはり締まった印象になっています。





モノクロ用フィルターは、ある特定の波長をフィルムに感じ

させない麻酔のようなものだと思っていただいてもよいかと

存じます。



ただ、麻酔ですから常にフィルターを使って、いい効果が

得られるとは限りません。


ときには、フィルターを使わない方がよかったということ

もありますから、色を見ながらが、フィルターを有り無し

で試してみて、データを集めると、イメージ通りの写真に

近づけることができます。



さて、ここまでお話をして、じゃあ、フィルムカメラを

揃えて、高いモノクロフィルムを買って、ついでにフィ

ルターも導入して、面倒な現像をやれと言っているので

はありません。




ご存知かと思いますが、最近のデジタル一眼や、ちょっと

機能の高いコンパクトデジカメなら、フィルター効果と

いう機能が付いていますから、わざわざフィルターを

購入することなく、お手軽にモノクロフィルターの効果

をお楽しみいただけます。



いい時代ですね!



モノクロフィルターには、イエローフィルターのほかに、

オレンジ、レッドなど、撮影意図に応じたものが販売

されていますので、またその内、記事に書いてみたいと

思います。



ところで、それならいつも何らかのモノクロフィルター

を使って撮影をしているかというと、そうでもなくて、

折りたたみ式蛇腹カメラなどは、構造上、フィルターを

取り付けすることができませんし、いちいちそんな細か

いことを考えていたら、撮影に集中できなくなるのも

事実ですから、困ったときに、こんな回避方法があると

いう感覚で、私はフィルターを使っています。





なんでもテクニックは、さりげなくというこですね。