ついにXデーが来てしまった。。。

昨日の午後、ベルルスコーニお勧めのCAIというイタリア複合企業体の最終オファーを蹴って、ついに倒産への道をまっしぐらに進んでいるアリタリア。

一国を代表する航空会社がベルルの取り巻き銀行屋に買収されて一民間会社になり、その影も形もなくなってしまうこと、最悪の労働条件になることなどが目に見えていることなど諸々の事情があったんだろう。
このグループ企業CAIは買収5年後にはさらにどこかに売り払う予定であると言われている。
経済成長著しいロシア(一時はアエロフロートからもオファーがあった)なんかにいいお値段を付けられたら、経済至上主義CAIは即売ってしまうだろう。
職員のこと、イタリアのことなんて考えてやしないのだから。

今朝のニュースでは抱き合って泣いているアリタリア職員の様子がテレビのニュースで映されていた。

ALL OR NOTHING。

これがアリタリアの組合員の姿勢。

春にあったエアフランスからの買収提案(これはCAIよりもずっと良いものだった)を蹴って、ずっと完全なる要求をし続けてきた彼らの結論。

今、ナッシングになった。

泣いていた職員達はこれでよかったんだ、これでよかったんだと口々に言っていた。

これにはイタリア的、というより騎士道的潔さ、誇り、美学を感じてしまった。

はじめてアリタリアってそんな会社だったんだと見直した。

とはいえ、この先待ち構えている大勢の元職員の行く末と関連会社の社員の行く末を思うと気が重い。

特にローマの経済的打撃は大きいだろう。

ローマ・フィゥミチーノやオスティアの住民の多くが空港関連の仕事をしている。

いつも弱いところにまずしわ寄せが来るのだから、アリタリアでも特に給料の少ない地上職員等は不服だったかもしれないし、すぐに路頭に迷ってしまう人も出てくるだろう。

それにしてもだ、このアリタリア倒産問題に関してはいろいろな政治的思惑が見え隠れしていて胸クソが悪い。

ベルルの最終提案を蹴ったのはパイロットの労組。
この組合は右より(つまりベルルスコーニ側)と言われていた。
それがベルルに反旗を翻したのだからベルルは面白くない。

CGILというイタリア最大の労組連盟(政治的に左)はあくまでも倒産を拒み、水面下でまだ外国の会社と交渉を続行中(ルフトハンザと言う名前が挙がっている)ということだ。
よくわからないのは、3月にはここもエアフランスのオファーを断っているのに今また話を持ちかけているところ。駆け引きとはホントにわからない。

エアフランスのオファーがあったのが3月で、4月のイタリア総選挙に近かったことがかなり災いしている。
ベルルはあの時、「人員削減をセットにしたエアフランスのオファーなんてやめなさい。ボクがアリタリアを救ってあげるから。」と言ったんだよね、そして首相になった。

CGILの代表エピファー二もEUでのポストを狙っていると言われている。
いろいろなヨーロッパの会社と交渉し、もし結果がでればぐんと株が上がりEUにも顔がきくようになるんだろう。

とにかくイヤなのは、アリタリアの職員や家族のことが蚊帳の外のような状況になってきており、政治やお金のどろどろした闇の中に翻弄されているところ。

アリタリアで働く友達に電話してみたけど、彼ら自身まったく何も知らされていなく、どうなるのか(明日のことさえ)まったくわからないのだとのこと。

20年以上前ならともかく、ここ10数年の彼らの過酷な労働状態を知っているだけにやるせない思いだ。

キャビンクルーが憧れだった時代は日本もイタリアも30年くらい前までの話だろう。