障害者雇用1.8%増「企業も積極的」(毎日.jp) | へたれジョブコーチ

毎日.jp (毎日新聞 2010年05月07日19時03分)より


◆障害者雇用1.8%増「企業も積極的」

http://news.cybozu.net/news/business/2010050715869.html


(記事の内容)


2009年度にハローワークを通じて就職した障害者は4万5257人で、前年度比1.8%増。


新規の求職者は12万5888人で、前年度比5.1%増。


就職率は36%で、前年度比1.1ポイント減。


精神障害は15.6%増で、過去最多の1万929人が就職したが、身体、知的障害者の就職者数は減少。

精神障害者の就職が増えた要因は、企業側の受け入れ態勢が整ってきたため。


業種では、農林漁業は38.2%増、学術研究、専門・技術サービスは29.3%増だったが、製造業は17.8%減。


厚労省は「障害者の就労意欲は高まっている。一般の就職率が低下する中、企業側も障害者雇用に積極的だ」と分析。





不況にも関わらず、障害者雇用においては就職者数が伸びているっていう記事ですね。


障害のある方たちの「就職意欲が高まっている」っていうのは、その通りだと思いますが、「企業も積極的」っていうのは、ちょっと違和感ありますね。


CSR(企業の社会的責任)やコンプライアンス(法連順守)意識の高まりが障害者雇用を後押ししている面はあると思いますが、ある程度以上の規模の企業に限られます。


そうなると、就労移行支援事業所や就業・生活支援センターが頑張ったんじゃないかと思うんですけど、違うかな。



他にこの記事を読んで思ったのは、


・就職者数は伸びているが、勤務時間、賃金、福利厚生、雇用形態などの雇用の「質」はどうなんだろう?


・職種はどうなのかな?


・都道府県別で偏りはあるのかな?


などが気になったので、厚労省のプレスリリースを見てみました。







厚生労働省のプレスリリース


『ハローワークにおける障害者の就職件数、前年度を上回る
(平成21年度における障害者の職業紹介状況等)』

http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000006572.html




雇用の質は分かりませんでしたが、職種や都道府県別のデータはありました。


印象に残ったポイントを書いてみると、


・身体障害者の求職申込は横ばいだが、知的、精神は右肩上がり。特に精神の伸びはスゴイ。


・職種では、知的障害者の6割以上が「生産工程・労務」で、雇用情勢悪化の影響をもろにかぶっていそう。


・精神障害者の職種では、事務が約2割、販売が8%、サービスが1割で、勤務時間等が柔軟に対応できそうな感じ。


・都道府県別のデータもあって、地域によって人口規模や産業構造が異なるので単純比較はできないけど、就職率は地方の方が数字が高い。これは、就職率の分母となる新規求職申込件数が少ないためだと思う。


・就職率が50%を超えてるのは、栃木(51.3%)、鳥取(52.2%)、島根(52.7%)、徳島(60.6%)で、逆に30%未満は、埼玉(28.9%)、千葉(28.4%)、東京(27.7%)、神奈川(24.5%)、大阪(27.8%)でした。


こういったマクロの数字を見ても、現場の様子は伝わりませんが、現場の支援の積み重ねが数字につながっていることは意識しておいた方がいいように思います。