僕はあなたを愛している。
僕はあなただけに愛を潅ぐが、あなたは万人に愛を潅ぐ。
そんなあなたを見て僕は嫉妬する。
が、たとえば僕があなた以外のものに愛を向けても
あなたは何も思わない。
心を動かされるのはいつだって僕のほうだけ。
あなたは皆を平等に愛する力をもつ。
きっと、嫉妬なんて感情知りもしないだろう。
1度、たった1度でいいからあなたを嫉妬させてみたい。
これから先叶うことは無いと思うが。
でも、いつかきっと
僕だけに愛をくれると信じてもいいですか。
僕はあなたを愛している。
僕はあなただけに愛を潅ぐが、あなたは万人に愛を潅ぐ。
そんなあなたを見て僕は嫉妬する。
が、たとえば僕があなた以外のものに愛を向けても
あなたは何も思わない。
心を動かされるのはいつだって僕のほうだけ。
あなたは皆を平等に愛する力をもつ。
きっと、嫉妬なんて感情知りもしないだろう。
1度、たった1度でいいからあなたを嫉妬させてみたい。
これから先叶うことは無いと思うが。
でも、いつかきっと
僕だけに愛をくれると信じてもいいですか。
大きな荷物をコインロッカーから取り出し、きみと一緒に持って歩いた。
二人ポツリと話すだけでさっきほど会話がはずまない。
数分前までいろんな店をまわってみたり食事したりゲームセンターで遊んだりしていた。
プリクラというものを久しぶりに撮った。―ぎこちない笑顔。
「また会う日まで!笑」なんて言葉が顔の下のほうに描いてある。
「あと何分?」
「ん、30分くらい。」
―沈黙。
長椅子に座る。やっぱり会話は無い。
「あと何分?」
「あと25分。」
再び沈黙。
きみが喋らないなんて珍しい。し、珍しく喋らない僕。
「なんか忘れてるもの無い?」
「全部持ってるし、ほとんど送ってあるから。」
「そっか・・・。」
またしても沈黙。
同じ言葉が何回巡っただろう。
こういうときって時間が長く感じる。
でも気がつくと短すぎたように感じるんだ。
「そろそろホーム入らないと・・・」
ほら、ね。もうそんな時間だ。
「じゃあ、改札まで行く!」
できるだけゆっくり歩く。
横を追い越していく人の背中が目に入る。
別れの入り口が近づいてきた。切符を入れて足を踏み出す。
もう、戻れない。
「そっち側!」
きみは手を振るんじゃなく、どこかを指差している。
それにしたがって改札内を歩く。まだ時間はある。
背の低いコインロッカーにたどり着いた。ガラス張りの向こうにせかせか歩く人たち。
見慣れた顔が近づいてきた。
「私、頭いいでしょー?」
なるほど。 きみの笑顔につられて僕も笑い出す。
さっきの沈黙の時間を取り戻すように話した。
若干声が聞き取りづらいが話したいことは分かった。
「さみしくて泣かないでねー」
「誰が。そっちこそ」
―××時××分。××行きの列車が到着致します。―
アナウンス。
泣くなって言ったきみの目に涙が溜まってる。
顔は笑ってるけど・・・だんだん笑ってるのか泣いてるのか分からなくなってきた。
気づくと僕の目から涙がこぼれていた。
それでもきみは必死に笑顔を作って
「あんたの泣き顔初めて見た!あはは。泣いてるー」
「・・・っうるさいなー!人のこと、言えないだろ」
お互い言葉にするのがやっとだった。
もうこれで最後だ。あのエスカレーターに乗ったら・・・。
それに向かって歩き出す。
―白線の内側まで・・・―
ぼんやりアナウンスが聞こえる。
動く階段に乗り振り向く。
泣きじゃくるきみが見える。僕ももう嗚咽をこらえきれない。
振っている手が、頭が、顔が、肩が・・・見えなくなった。
気がつくと僕は電車に揺られていた。
10分も経っただろうか。静かに涙が零れ落ちた。
いつか、また・・・
そう思い、窓の外を見る。
よく知る景色もが遠くなってゆく。
きみと僕が写った1枚を見て、再び窓の外を見る。
雨上がりの公園の、澄んだ空気の中
ふと足を止めた。
灰色気味の空には所々蒼色が見えている。
蒸し暑くなりそうだ。
さらりと風が流れ
その風と共に甘い香りが過ぎてゆく。
その優雅な香りに近づきたくて
僕は嗅覚を研ぎ澄ませる。
深い深い緑色と
鮮やかな緑色の葉が敷き詰まった
低めの木々の中にあなたはあった。
周りの緑色に負けないくらい
あなたは白かった。
純白という色そのものだ。
その純白の花びらを幾枚にも重ね
咲き誇っている。
優雅、高貴、純潔、幸嬉
どの言葉もあなたのためにあるのではないかと
僕は思った。
そっと手を伸ばす。
葉と花には雫が。
白色に触れる。
そこにあった雫が
僕の指を濡らす。
顔に近づけてみる。
最初にふと香った香りが
しっかり目の前で香る。
あなたは雫までも魅了する。
一筋の光が射す。
きらきらと光る宝石をまとったあなたが
より鮮明に美しく、僕の瞳に映る。
gardenia~くちなし~
目を閉じる
そこには完全ではない暗闇があり
波紋が広がるように
心が揺れ
そして
静寂が訪れる
胸の奥底から
何かが湧き上がり
溜まり始める
収まりきれなくなったものは
溢れいで
雫となって
頬を伝う