作品展望 №20(解説~千葉優作) | 短歌活動をめざす北海道歌人会

短歌活動をめざす北海道歌人会

北海道在住の歌人や愛好者、もしくは道外転出者も希望によって会員とする北海道歌人会です。短歌における親睦と創作を希望する方はどなたでも加入できます。ぜひ、一緒に短歌を楽しみましょう!

 

 

 

結社【旭川歌壇】

 

雨止みて路に溜まりたる水明り車過ぐるたび光とびちる  吾子かずはる

 

「ますらめ」と男まさりを喩えたるきみ懐かしき学び舎のころ  あさくらともみ

 

蝸牛の一心不乱の足跡を朝のひかりが照らしだしをり  大関法子

 

しあわせの証しのごとしチューリップ咲いてうれしいこの世の春は  小原祥子

 

謹呈の文字を残して古書店の棚に居並ぶ句歌集のあり  北原さつき

 

性格の悪い奴から死んでいってとうとう俺達だけが残った  桑原憂太郎

 

歌会は楽しかつたと伝へきく我のゐぬ間のたのしき歌会  斎藤嶺也

 

片方のハサミ捥がれし蟹のごと過ぎし日ありて蟹のリベンジ  鈴木育子

 

閉店の予感はあったなおざりなパスタなど時々出されれば  吹田美津子

 

吹奏楽団(ブラスバンド)を打つなみだ雨 戦没者慰霊にはじまる音楽祭で 柳澤美晴