結社【旭川歌壇】
雨止みて路に溜まりたる水明り車過ぐるたび光とびちる 吾子かずはる
「ますらめ」と男まさりを喩えたるきみ懐かしき学び舎のころ あさくらともみ
蝸牛の一心不乱の足跡を朝のひかりが照らしだしをり 大関法子
しあわせの証しのごとしチューリップ咲いてうれしいこの世の春は 小原祥子
謹呈の文字を残して古書店の棚に居並ぶ句歌集のあり 北原さつき
性格の悪い奴から死んでいってとうとう俺達だけが残った 桑原憂太郎
歌会は楽しかつたと伝へきく我のゐぬ間のたのしき歌会 斎藤嶺也
片方のハサミ捥がれし蟹のごと過ぎし日ありて蟹のリベンジ 鈴木育子
閉店の予感はあったなおざりなパスタなど時々出されれば 吹田美津子
吹奏楽団(ブラスバンド)を打つなみだ雨 戦没者慰霊にはじまる音楽祭で 柳澤美晴