結社【はるにれ】
足音を聞きたく胸をときめかせ山を歩くけど春はまだかも 池田 拓
どっこいしょと掛け声かけて春風に背筋伸ばしつつ友待つ街へ 北原まつ子
朝ばやな遊歩の途次にうぐいすの初音うれしき良き日なるかな 大山勝美
結社【樹樹】
七年を経て花咲かす姥ユリの直立不動の森は鎮もる 鳥井綾子
妹の逝きしその日に真白なる花かかげたり十薬の花 嶌 千津子
自然なす四季のうつろふをくり返し永く住みたりふたりの暮し 惣万恵子
若葉増す樹々の梢にふり注ぐ光りは地上に煌めきゆるる 松本淑子
絵てがみのひまはりの絵に声ひとつ十勝の空より「元気でいろ」と 酒井 武