作品展望 №14(解説~鹿内美奈子) | 短歌活動をめざす北海道歌人会

短歌活動をめざす北海道歌人会

北海道在住の歌人や愛好者、もしくは道外転出者も希望によって会員とする北海道歌人会です。短歌における親睦と創作を希望する方はどなたでも加入できます。ぜひ、一緒に短歌を楽しみましょう!

 

 

 

結社【原始林】その四

 

数多なる光の粒子ちりばめて波音やさし春闌くる海  中田慧子

 

海霧は勢ひつけて溢󠄀れゆく鉄のまちごと呑み込むやうに  加藤幾予乃

 

マスク下の我の唇震へをり眼激しく医師と対峙す  駒田貴子

 

連山を常に心の糧として帰らざる我がふるさとを恋ふ  髙橋知義

 

意のままにならぬを卓袱台ひつくり返す昭和のドラマに父の重なる  三浦公左子 

 

しらさぎを見守るわれと知らぬふりのしらさぎに吹く恵みの微風  松川洋子

 

馬が馬のにほひ嗅がむと鼻寄する馬のいのちを宿すあたりに  大家 勤