結社【和歌新万葉】
豆腐売ると半纏を着て父と母と朝早く出でぬリヤカー引き 村田俊秋
和服着て雑煮を作る亡き母の割烹着姿なつかしきかな 間島名誉史秀
療養中赤を見に着け示したり生きゆく意志を己と病魔に 村井之介
寒き夜形見のガウン着て過ごす背(せな)に感ずる母が温もり 梶谷久寿美
嫁ぎ行く姪の着物を選びをへ数多の思ひ今いとほしむ 石川弘子
マフラーをコートの内に折りこみてこれで隙なしコロナ明けには 南 貴子
父親に例祭装束着付けをり上手くなつたなと頭上より聞こゆ 片石辰弥
元旦を迎ふる宵に潔斎を終へて新たな白衣を着たり 吉良忠誠