※ 掲載は一人5首にさせていただきます
「ひまわり」 中島三枝子
戦争は「ひまわり」畑に埋れをり時を経ていまウクライナ侵攻
いくたびもうつつにわれは生まれ変はり孫の花火を選びてゐたり
山径にオオバユリの群落ありなつの蝦夷地は花園ならむ
ほんたうはオホーツク海の木の葉なり疑ふことなく沈む一隻
雷に追はれるやうに運転するわれにあまたの悪行あらむ
一語また一語 中瀬サチ子
白雲のひろがる空の片隅に細く幕あき四月のひかり
ハンカチの木の苞ひごと垂れ下がりみずからの涙ふくことはない
モノクロの写真のような夕暮れの水やりの踝にとどまる秋
青空にふる雪もある易やすと降りてきません 一語また一語
ボーロ買いビスコ買ってポッキー買う会わぬうち子は肉食獣になる