令和5年度会員自選作品集(3) | 短歌活動をめざす北海道歌人会

短歌活動をめざす北海道歌人会

北海道在住の歌人や愛好者、もしくは道外転出者も希望によって会員とする北海道歌人会です。短歌における親睦と創作を希望する方はどなたでも加入できます。ぜひ、一緒に短歌を楽しみましょう!

 

          ※ 掲載は一人5首にさせていただきます

 

ひまわり畑 安高浩子

 

冬の陽は部屋に延びゆき明るみて吾の体もほぐれて軽し

 

緑ありて共に学べる楽しさに赤きマフラー選びぬ今日の

 

爆撃に破壊されつくしこの地にひまはり畑は幻となりぬ

 

人を待ち花咲くを待つこれよりは幾度なるかと強く思ひて

 

ナナカマドの赤実見上ぐれば寒空に広ごる雲は清々として

 

 

ここのそぢ 足立敏彦

 

少年の眼裏を灼きし八月十五日の真黒ヒマワリの貌

 

卒寿鳩寿と呼ばるる齢迎ふる日七十七年目の敗戦忌

 

翁めくことのなけれどすでに我ここのそぢなる襤褸のこころ

 

蝦夷松の冬の緑ぞここのそぢの一歩一歩に力湧きくる

 

ここのそぢの歌道七十五年いま生かされて現時点を泥む