大学4年生のとき教育実習にいった。すでに予備校や塾の講師として教えていた。「予備校のような授業だ」だと何度も指導教員から指導を受けた。

「学校は1時間で一つか二つ、多くても三つくらいの知識を入れるところ」と指導教師から教わった。学校と塾とはここが違う。

塾で「教員免許所持講師」を自慢にするところがある。教員免許は学校の教員に必須なものである。学校の教師と講師とは違う。塾の勉強は受験のための勉強であったり、学校の補習であったりする。学校の授業をさらに発展させたり、さらに噛み砕いてわかりやすく教えるところである。
当塾でも教員免許所持者の講師が多いのでこのことを「看板」にしようと思ったが、塾で「教員免許所持」を宣伝にするのは違うと悟ったのでやめた。

私は「教員免許」に関しては次のような考えである。

教員免許を取得するのは、非常に苦労する。教科・教職に関わる科目、専門科目など多くの科目を取らないといけないからである。そして、教育実習の前段階の教育実習研究で模擬授業をし、酷評され、いよいよ教育実習に臨む。

教育実習は授業だけではなく準備、校務、ホームルーム、生徒指導、部活指導、自他の研究授業、教材研究、現職教員の授業参観、他の実習生との関わりなど盛りだくさんである。私はこの教育実習の2週間で最低睡眠時間20分という記録をつくったことがある。完璧な授業やホームルーム運営を求めすぎた結果でもあった。もちろん実習期間は塾も家庭教師もお休みにして土日に授業をした。
 
このような実習を経て教員免許を取得する。



つまり教員免許取得でキツイのは実習までの単位履修と教育実習である。この苦労の証としての教員免許である。
生徒さんへの学習指導や受験指導に免許の有無が必要あるのだろうか。