塾のウインドーに「多彩な割引」とか「兄弟割引」「友人割引」という派手な掲示があった。

 昨年は近隣に塾で入塾者を紹介すると「i‐pod」がもらえると生徒さんの中で話題になって多くの生徒さんがその塾に入塾したという話があった。もちろん当塾の生徒さんも「i-pod」をエサに誘われた。私は沖縄にもこういった営業のインセンティブを中学生に当てはめた塾があることを知り閉口したことを覚えている。

 当塾では「兄弟割引」や「紹介者」へのプレゼントなどを妻から提案されたが、私は中学部では一切そういったものはいれないといった。

 これには理由がある。

 当塾は自宅を開放しているため家賃という塾運営の上で大きな負担になるものがない。また、中学部はアルバイト講師を雇っていない。つまり、経費を最大限に抑えている。その分、いただいている教材費以上の教材を提供したり、軽食やドリンクサービスをしている。そして、家計にやさしい月謝を実現している。「割引」よりも多くのサービスを付加している。

 これは塾の宣伝や生徒集めの手段ではない。月謝は開設当初に第一号の生徒さんの親御さんと沖縄の家計において負担がない額ということで決めたものであり、軽食やドリンクは部活や学校で夜遅くなって夕食が食べられなかった生徒さんや到着してからの気分転換の一服としての一杯である。すべては生徒さんのためであり、勉強に集中できる環境を少しでも整えたいためである。

 長年の塾講師経験の中で思うのだが、塾であっても教育機関の1つであると私は考える。学校という公教育ではできないことを塾が担うのだ。勉強だけではなく学校や家庭で解決できない問題を塾が担うことさえあるのだ。

 教育とは「こころ」と「こころ」の交流である。そして、生徒さんたちに夢と希望を持つことを伝えることだと思う。こういったものはお金では買えない。だからこそお金やモノで片づけられないものである。