ミニチュアポリバケツの作り方：１

読者さんからご質問をいただいたのでご返答記事になります。テーマは「フィギュア用のポリバケツの作り方」

質問１：ポリバケツの蓋を除いた本体の造形。あのプリン型をどうしたら綺麗に作製できるでしょうか？(バケツの内側も再現)
このような正確な形状をした工業製品を手作業で作るのはかなり難しい部類に入ります。ちょうど僕がいま作っているこんな形のトンカチを作ったことがあります。そのときの作り方がこれです。



↓のような容器を用意してこの中に素材を詰めてそのまま固めるという方法です。

この方法の利点は正確な形にすぐに簡単にできて量産も可能という点です。欠点はサイズに融通が利かないという点です。さらに内側は正確に作れません。今回ファンドで作りましたが水分が抜けにくいので癒着防止にワセリンやメンタームを塗ってからポリパテやエポパテで作ることをおすすめします。

それ以前に試した方法。
結構前に試した方法がありました。でもそのときの写真が探しても見つからなかったので形状は違いますがやり方は伝わると思います。まずリューターにパーツを接続するためのツールマンドレルを用意します。工具屋さんで手にはいるでしょう。



これを使って素材のかたまりをリューターに接続します。そして刃物やヤスリをあてて削ります。刃物は欠けた刃が飛び散る危険性があるのでスポンジヤスリか紙ヤスリをおすすめします。

この方法の利点は正確な円形パーツを作ることができる。写真のように溝も掘ることができる。このときはヨーヨーを作ってました。
欠点は大きいものをつくることができない。あらかじめある程度の形を作り中心に対し正確な軸空けをしないと高速回転による振動が生じ大変危険です。また回転速度の調整できるリューターが必要です。徐々に回転数をあげながら振動が起きないかどうかを確認する必要があるからです。
大きいものを作りたい場合「旋盤」と呼ばれる本格的な工業用工作機械が必要になります。かなり高価なのでちょっと一つのパーツを作るために買えるものじゃありません。

それ以外はちょうどいい大きさと形のものを用意してそれをインナーとするかあるいは複製して使うという方法です。たとえばピノをお湯まるで複製するとか……というのは冗談ですが、ピノの容器に素材を詰めるというのはアリだと思います。インナーの使い方については図で示すとこんな形です。


インナーを作るとき溝も作っておけばパーツの内側に溝ができます。内側を作るのは大変なのでこのやり方が一番実用的かもしれません。
ひとまずひとつめのご質問に対するお答えでした。この記事の続きはこちら。
>>ミニチュアポリバケツの作り方：２

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