3月28日は国公立大学の追加合格発表の日である。

めでたく合格となれば、その旨大学から直々に電話がかかってくるシステムだという。


3年前の今日、私もひそかにその電話を待っている一人であった。



あとで落ち込まないように

望みはうすい、期待してはいけないと

わかってはいても、心のどこかで

奇跡を願っていたのはうそではない。


娘はこの日がその日であることを

知っていたか、知らなかったか、

私にはわからなかったが、

敢えて娘には言わなかった。

かかってこないだろう電話に期待させるのは

しのびなかった。



そして夕方。

私もようやくあきらめかけた頃、

娘に友だちからラインが入った。


「追加合格⁈。

〇〇ちゃん、追加合格したって~~」


と、同じく浪人を決めたはずの唯一の友だちが

後期の国立大学に追加合格した知らせだった。


私はそれを聞いた一瞬、

また娘が落ち込む、唯一の浪人友だちがいなくなってしまった

と、どーんと重石を置かれた気分になった。



ところが、娘は違った。

友だちの合格を喜べない娘ではなかった。



「すごいな〜。よかった〜。

ホントに追加合格ってあるんだー

〇〇ちゃん、後期まで頑張ってたもんね」


と自分のことのように喜んで

すぐさまお祝いの返信をしていた。


娘が落ち込むと思った自分が恥ずかしい 

ごめんよ、娘



その友だちは、春から大学4年生になる。

大学は違うが、娘と学ぶ方向性は同じである。



彼女は今月から就活が始まり、

娘もいろいろとアドバイスをしてもらっているようだ。

高校時代、仲の良かった友だち。

あの時追加合格してくれたおかけで

今は頼りになる先輩である。