今年、初めて梅干しを漬けてみた。これまでも、やってみたいと思っていた梅仕事だった。梅干しと一言で言ってもその作り方はいろいろあるようだが、我が家が選んだのは、スタンダードとされている作り方。まずは、基本を押さえることが大事だと、我が家らしい手堅い考え。作業の流れを大雑把に言うと、まずは「塩漬け」。18%の塩水に赤紫蘇とともに約2ヶ月間漬けたのだが、これで作業の7〜8割方終わったと言っていいのだろう。そして、「干し」。3日間、天日に干して、ようやく梅干しが出来上がる。あとは、そのまま容器に入れるか、梅酢の中に戻すのかで仕上がりの差をつけるようなのだ。
 
干し作業は、梅雨明けすぐに行うのが普通のようだが、今年は梅雨明け後、週末の天候がイマイチだったことや、孫たちが遊びにきたこともあって、作業が遅くなってしまった。それでも、ようやく干しが終わる日がやってきて、その後、出来上がった梅干しを一口食べてみたが、それがなんともしょっぱい。でも美味い。改めてWEBで調べてみると、塩分18%は昔ながらの梅干しのようで、昔は、長期保存できるよう塩分を多めにして梅干しを作っていたそうなのだ。自分が作ったのは、この昔スタイル。そう言われると、昔の梅干しはしょっぱくて、酸っぱかった記憶が蘇る。塩分摂取は気になるところだが、これからはこの梅干しを使った炊き立てのご飯とお昼の弁当がとても楽しみになってきた。


この梅干し、日本では一体いつごろから作り続けてきたんだろうと調べてみたところ、なんと約1500年も前に薬として中国から伝わってきたようだ。その後、身分の高い人から順に広まっていき、江戸時代になって、ようやく庶民の口に入るようになったのだと。なんとも壮大な歴史があるものだ。そして今、自分が自ら作った梅干しを口にする。1500年の歴史の先にだ。もともと薬だとしたら、もしかして自分の身体にも効くのかもしれない。もしかして歴史が自分をそこに導いているのかもしれない。なんでもすぐに縁とか運命とかに結び付けたがる馬鹿な自分はそう思わずにはいられなかった。
 
でも、この自家製梅干し、予想以上に簡単に、しかも美味く仕上がるので、これからは季節の行事として取り入れていこうと思う。また一歩、年寄りに近づいてきた気分。