新しい世界史へ
─地球市民のための構想
羽田正
岩波新書
姫路市立図書館
現在の日本で一般的な世界史の見方の問題点として、
①例えば我々日本人が普通に考える世界史が必ずしも世界の標準ではない。
②現実を追認するだけの歴史学。自他を区別するだけの世界史。
③ヨーロッパ中心史観。ヨーロッパ史といっても、ヨーロッパ全体の歴史ではなく、その時々で中心や、範囲が変わっているにもかかわらず、ヨーロッパ全体と認識されている。ヨーロッパだけでなく、中心を決めることで周縁がうまれる。
日本では「イスラム世界」と一括りに表現し理解している。オバマ大統領も就任時は同様な捉え方をしていたが、現在は 「世界中のムスリム」「ムスリムが多数を占める国々」といった慎重な表現をしている。中国では「アラブ世界」と表現する。ウイグル自治区にイスラム教徒を抱えるため、「イスラム世界」と表現することで、ウイグル自治区に多くいるイスラム教徒が自分たちを中国と別の存在であると認識してしまうからだ。