母のパジャマを買いに行く | 在宅介護から特養への日々

在宅介護から特養への日々

一人暮らしの母が83才で脳梗塞で倒れ半身麻痺になり車椅子生活になり、施設は断固拒否のワガママな母を引き取り同居。姉は介護拒否で音信不通。
介護離職して家族に助けてもらいながら在宅介護を8年。
2024年5月から特養ロングステイ。

夏を迎えて新調しようと思っていた母のパジャマ


ポイント10倍デーを狙ってスーパーに向かった


バーゲン前で定価は痛いけど、足元にゴムが入っているのが限定の母のパジャマ


背の低い半身麻痺の母は裾にゴムが入っていないと踏んづけて転倒の元になる


骨折で寝たきりになるのだけは防いでこれた8年間


普段着のズボンも裾にチャックが付いてる裾がすぼんでるズボンを探し回って買い溜めてきた


それには原因もあって、倒れた当初のリハビリ病院でのこと


スタッフさんがトイレ介助してくれる度にズボンの裾がトイレの床について、トイレの度に裾が汚れてしまって母が泣いていた


私が来るまでトイレを我慢してスタッフさんを拒否して、私が面会に到着すると「娘にトイレに連れて行ってもらう!」泣いたこともあった


汚れた便座をアルコールで拭いてくれることも無く、濡れたトイレの床にズボンをずらされて用を足す苦痛は、自分に置き換えてみたら我慢出来ないかもしれない


突然半身麻痺になった人生よりも、人間としての尊厳を守られない苦痛は耐えがたいものがあったと想像できる



家族なら洗濯物が汚れるのはイヤだから、まくり上げてずり落ちないように気をつけるところ



半身麻痺の母はトイレの手すりを持つから自分でズボンの裾をまくり上げることが出来ない


トイレを不浄の場所と忌み嫌う年代で、レストランでもトイレから離れた場所に座る母だから、ズボンの裾が汚れたトイレの床につくことはストレス以外の何物でもなく、いつも泣いていた


「まくりあげて」というものの、手で支えないとズボンが下がってしまうこともある


私だって外出先ではズボンの裾はずり落ちないように片手で支えて用を足してる


他人の汚物で着ている服が汚れるなんて、考えるだけで辛い



あのリハビリ病院での苦い経験から、パジャマやズボンの裾はゴムが入ってるか裾が細くなっているチャックつきの物を限定にしている


まくり上げなくてもくるぶしの所にズボンが溜まってくれる


一人一人に時間をかけられないリハビリ病院の忙しさも分かるから、ズボンを買い替える事で母のストレスをひとつ解消することが出来た



半身麻痺の車椅子になった母から、初めて習ったのが片手しか使えない障がい者になった時のズボンの事かもしれない