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著者はのべ13万人以上のクライアントを見てきた柔道整復師であり、フットマスターの新保先生。
健康法として、1日1万歩と言われるが、1万歩を歩いて足を痛めるなどしている人を見てきており、正しい歩き方をしないと体が壊れてしまうので、正しい歩き方を1日わずか300歩(5分)することを提案している。
【死ぬまで歩いて過ごす】
日本の平均寿命は伸びていると言われるが、健康寿命との差が大きい。
~平均寿命と健康寿命の差~
日本 男性9.39年 女性11.27年(2013年のデータ)
アメリカ 8年
ドイツ 6.9年
中国 7年
寝たきりになると寿命は短くなるとも言われる。
上記数字は、人に対して薬で生かしている日本の医療が浮き出て、改善の余地を感じる。
歩くことは、筋肉を維持して血流を上げて健康を維持できると言われる。
著者は、故障のない正しい歩き方で長く歩くことが必要と言っている。
【ボールウォーキング】
新保先生が提案するウォーキング方法。
ボールが転がるようにロスなく歩くというものだ。
これは見たこともない新しい歩き方ではなくて、外人がかっこよく歩いているような歩き方。
文字での説明より、動画の方がわかりやすいので詳細はこちらにて。
https://www.youtube.com/watch?v=PQP_DdwRdok
大きな特長は、踏み出す一歩はかかとからで膝を曲げないということ。
そして常に重心が常にバランスポジションにあること。
バランスポジションとは、外くるぶしと内くるぶしをつないだポジションのこと。
多くの人がこのバランスポジションよりも、つま先寄りに重心を置いていると感じるのではないだろうか?
このポジションが筋肉に負荷をかけないで、骨で立つ本来のポジションだ。
多くの人は、足先とふくらはぎと使っているのに対して、股関節と体重移動で歩く方法。
このウォーキングを毎日300歩ずつ行うと、頭が楽な歩き方だと記憶するようになる。
30日間程度で何らかの改善ができている人が多いという。
【日本人は正しい歩き方が不得意!?】
街中の人の歩きを見ていると、膝を曲げないで一歩を踏み出している人はほとんどいない。
あれ、あの人は綺麗だ!と思うと外人さんだったりする。
日本人によく見られるいわゆる膝歩きは、以下のような環境からできているらしい。
・農耕民族で、中腰(=膝を曲げた状態)の作業が多かった。
・ぞうりやわらじを良く履いていた。(=つま先重心になりやすかった)
・畳に座る生活であぐらをかくと骨盤が寝てしまった。
歌舞伎の女形は、膝を屈曲して歩けば歩くほど女性らしいということで、それを大変な鍛錬で作り上げるという話もある。
そう言えば、生まれてからここまで、「歩き方」を教わったことはない。
また、ランニングやその他のスポーツは、膝を曲げたフォームになり、ウォーキングとは別物になる。
むしろその感覚がウォーキングにも印象付けられてしまっている面もあるようだ。
このような日本人に合わせてしまっているせいか、スポーツ用にできているせいか、本来のバランスポジションに重心がある靴がほとんど販売されていない。
わずかなバランスがいい靴の一つはドイツのGANTER。
ここで言っていることと見事に符合する。
GANTERについての詳細はこちら。
人の体は、正しい姿勢でないと、どこかに負荷がかかり、歪み、痛みが生じる。
歪んでも痛みを感じない人もいるので複雑ではあるが。
その歪みによって、他がバランスするように、また歪み出す。
やがて歪みどうしでバランスするのが楽なポジションになってしまう。
これも人間の素晴らしくてまた同時に厄介な機能。
高齢化社会では歪ませる時間がたんまり存在し、徐々に歪んでいく。
【やりすぎな人々】
健康のためのストレッチ、筋トレ。
なぜかわからないが、何かに必要なように思っていた。
考えてみれば何のためにしていたのか?
若さを維持できると思っていたのかもしれない。
体が暖まる前のストレッチは繊維を傷つけるともいう。
柔らかさだけが必要なわけでもない。
例えば股割。
90度広げる必要はない。
45度程度開けば生活には十分。
また、隆々とした筋肉で人が立っているのではない。
骨でバランスがいいところで立ち、筋肉が最低限支えるだけでいい。
だから、本来は立っていても疲れない。
ふくらはぎの筋肉に力を入れて歩くものではない。
足首に力を入れずに前後に動かしただけで、ふくらはぎのポンプ機能が勝手に働いている。
体は本来そういう風にできているのだ。
ストレッチや筋トレがすべて悪いわけではないが、
何か勘違いしてやり過ぎたまま、歪みを助長して生きているようにも感じる。
みんながアスリートとして生きるわけではないわけで。
【ボールウォーキングの効果】
以下のような効果が期待できる。
・膝や腰などの痛みが改善する。
・姿勢がよくなる。(骨盤が立つ)
・酸素吸入量が増加する。
・代謝がよくなる。
・血流がよくなる。
これらによって、肩こり、頭痛、胃腸の不調なども改善するケースがあるという。
本来それが合理的としてできている体の筋肉を最適に使うことができるようだ。
いい事づくしに書いてあるが、納得する内容だ。
【このウォーキングができない人は】
私の経験から、紹介されているウォーキングが痛みなどによってできない、という人がいたならば、それだけ歪んでしまっているということで、信頼できるひと握りの整体師の先生に歪みを改善してもらってからでないと無理をしてはいけない。
私が以前だったらそうだと想像できるからだ。
歪みの改善によって今はこの歩き方にチャレンジできている。
それができるひと握りの先生は、全国の整体師の3%程度ではないかと思う。
これはあくまでも私の通院経験からくる勘。
【感想】
健康オタクの自分は、サプリがいいと言えばサプリ、運動がいいと言えばランニングや筋トレなどに多くの時間を割いてきた。
1万歩ウォーキングも1時間30分もかかってしまう。
新たな健康法にはすぐに飛びつく。
生活に何かをプラスする。
本当にプラス、またプラスしないと健康でいられないのだろうか?
健康に生きるための基本中の基本、酸素の取込、血流、代謝。
このための姿勢と基本動作の歩きを大切にすること。
それと同時に、体の歪みが改善され、痛みが軽減する。
このウォーキング方法は健康法の中で、極めて優先順位の高いものではないか?と思う。
食事睡眠の次に来るのではないか?と。
基本をおろそかにして、体が歪んでしまってから、対処療法に高額をはたいてしまう。
大いに反省する。
情報社会は多くの雑音を避けて通らないといけない。
3つ程度を注意して生きられれば健康法の断捨離にもなる。
そういう意味でこの本は、スッキリさせてもらえるものだった。
一日5分で”ただ”でできる健康法。
ランニングすることの前にまずは正しいウォーキングを。
ジムや温泉にいくよりもこのウォーキングを。
人生を目の前のことではなく長い目でみれば、食事・睡眠・ウォーキング。