映画「不思議なクニの憲法」2018年公開 | 日々是湧日 ヒビコレユウジツ

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2021年までは、主に映画(ドキュメンタリー多、ネタバレ多)・書籍からの感想、2023年からは、映画・書籍にとらわれずにやってます。

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憲法改正案が進められようとしている中で、憲法というもの、その解釈について専門家のメッセージを紹介しているドキュメンタリー映画。
主に憲法第9条については護憲の目線で紹介されている。

【憲法の条文について】
戦後作成された憲法はわずか9日間で作成された押し付け憲法などと揶揄される面もある。
しかし、象徴的な憲法第9条の戦争の放棄や、基本的人権の尊重、封建制度からの解放(男女平等)などが制定されている。
立憲主義国家として、憲法は国の運営の大前提であり、憲法にそぐわない法律は制定できないのだ。

日本の多くの大人は政治の話をしない。
更に憲法の話となるとほとんどない。
会社では特にお得意先とは政治の話はタブーであり、社内でも避けているようなところがある。
今なにも困ってないから・・・
困っていないというのは本当だろうか?

話を普段読むことはなかなかない。
読んでみるといろんなことを感じる。

憲法第9条 戦争について
第1項「戦争の放棄」第2項「戦力の不保持」「交戦権の否認」

憲法第12条 公共の福祉への寄与
この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によって、これを保持しなければならない。又、国民は、これを濫用してはならないのであつて、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ。

憲法第13条 個人の自由・幸福の尊重
すべて国民は、個人として尊重される。
生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。

憲法第13条 封建制度廃止、男女平等
すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。
華族その他の貴族の制度は、これを認めない。
栄誉、勲章その他の栄典の授与は、いかなる特権も伴はない。栄典の授与は、現にこれを有し、又は将来これを受ける者の一代に限り、その効力を有する。

憲法第25条 健康で文化的な生活を営む権利
すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。

憲法第26条 義務教育とその無償化
すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する。
すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。義務教育は、これを無償とする。
 

我々は、果たして健康で文化的な生活を営んでいるだろうか?
原発や食品の安全はどうなのか?
個人として尊重されているだろうか?
そして、義務教育の無償化は未だに実現していない。


法律学者は憲法とはある意味、理想であるという。
だから現実とのギャップが必ずある。
理想を掲げて、現実とのギャップを埋めていくことが大切なのだ。

「国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によって、これを保持しなければならない。」
この義務を我々は果たせているのだろうか?

権利の主張するだけでなく、義務があるのだ。

【政府の憲法改正案の気持ち悪さ】
①解釈を強制しているところがある。

②憲法改正案について憲法改正案に「経済活動」という言葉がある。
「~活力ある経済活動で国を成長させ~」
 このようなことは憲法に書くものではない。

③緊急時の条項を優先させる。
緊急時とはテロが起きた場合や災害発生時の対応についてである。
「緊急時には、議会を開かず、総理大臣が決定」というものがある。
なぜか緊急時のことを優先させて決定しようとしている。
東日本大震災の記憶があるうちにというねらいがある。
これはヒットラー政権が政府の建物に火をつけたことを共産党員が国家転覆を目的にしたものだと判断して、5000~7000人の逮捕者を出し、敵を牢屋に入れることで選挙を優位に進めたという独裁的手法を彷彿とさせる。

④皇室に圧力がかかっている
憲法改正案は天皇を国家元首としているが、8/6に天皇にあらためて国政に関係ない、という発言をさせていたり、「生前退位」という言葉も皇室側から出た言葉ではないという。

安倍総理は、静かな環境を望み、議論させずに、何も言わなくなる、ことを望んでいるようだ
そして自分が勝手に決める。
本来の民主主義は騒がしいものである。
報道の自由度ランキングでは民主党政権時代に世界第11位だったものが、安倍政権で72位まで後退している。
今のジャーナリストは全員が匿名でないとインタビューに答えてくれなくなった。

【アメリカの従属国である歴史】
ドイツは敗戦で国を4分割されたので4国の合意がないとならなかったが、日本はGHQの影響もあり、アメリカのいうことを聞くという国になってしまった。
経済同友会はアメリカがOKした人で形成され、未だにその系譜にある。
・米中の間隙をぬって日中の国交を回復させた田中元総理は、ロッキード事件で失脚した。
 アメリカが仕組んだとされている。
・北朝鮮から拉致被害者を日本に呼び戻した小泉元総理。
 その後、渡米してブッシュ大統領と接見するも、ブッシュ大統領は口もきかなかったという。
・小沢議員、民主党時代に与党になろうか、という時期に収賄疑惑で黒にならないものを黒にされた

 アメリカ政府はアメリカのYesマンを日本の与党に据えたい。

 それは民主党ではなかった。 
・中曽根元総理は「浮沈空母」などと言ってレーガン大統領とベッタリだった。
・CIAと仲のいい議員も多い。


【日本の立ち位置】
日本は、憲法9条によって戦争を放棄したが、平和国家ではなく基地国家として存在した。
アメリカの軍事基地を国内に置くことで、距離をおいて東アジアを牽制をしていた。
本当の平和国家になることの覚悟から逃げている。

本当に平和国家になるのならば、各国の仲裁をするなど積極的でないといけない。
基地があるということは、まず初めに基地を攻められる。
基地があるということは自衛があり、戦いがあるということだ。

現憲法のままでは「集団的自衛権の行使」は違憲であるという。
「個別的自衛権の行使」すら違憲だという法律家もいる。
自衛権は認めるが交戦権は認めない、としたとしてもすべての戦争はどちらから手を出したかわからないようにして始まる
抑止力がないと北朝鮮から攻められるという意見の人もいる。
それに対して、いつそれが起こるんだ!という人。
それに対して攻撃がないというのは楽観的過ぎるという人。

貧富の差を埋めることが戦争への最大の抑止力だという人もいた。

非常に難しい問題だ。

コスタリカは軍備を捨てて、攻められたら戦わず、犠牲はやむを得ずとして、国連に提訴するという方針で進んでいる国である。
映画「コスタリカの奇跡」

【感想】
歴史からくるアメリカとの背景において、日本の総理が国の利益にならない判断をする理由がわかったように感じる。
日本の政治家はアメリカ(あるいは他)からの報復が怖いのだ。
それに脅えて迎合する選択をとらざるをえないということだ。
そうすると、すべてがスッキリする。

まだまだ従属国は終わらない。
簡単に判断できることではないと思う。

よく深く物事を学んで、事実を知って日本の未来のために票を投じていきたいと感じた。

票を投じるために戦争でどんなことが起こるかの一例として
映画「沖縄スパイ戦史」が参考になると思う。

やはり、この手の映画は絶対にメディアで紹介されないな。