人と労働のマネジメントに関する文献は、少なくともその数では、経営科学やコンピューターに関する文献にひけをとらない。
それらのうちもっとも読まれ、もっとも利用されている物が、ダグラス・マクレガーのX理論とY理論である。
マクレガーは、人と労働についての二つの理論を示した。
X理論と名付けた伝統的な見方は、人は惰性で仕事を嫌うとする。
強制しなければならず、自ら責任を負うことのできない存在とする。
これに対してY理論と名付けた見方は、人は欲求を持ち、仕事を通じて自己実現と責任を欲するとする。
X理論は人を未熟な存在とし、Y理論は人を成人たることを欲する存在であるとする。
マクレガー自身は、二つの見方を示しただけで、いずれが正しいとは言わなかった。
だが、彼がY理論を信じていると考えない読者はいなかったはずである。
現実は、単純ではない
強い者さえ、命令と指揮を必要とする。
弱い者はなおのこと、責任という重荷に対して保護を必要とする。
世界は、大人だけからなっているのではない
マズローも、永遠に成熟しない人間があまりにも多いと言っている。
その上、精力的な人もいれば、惰性な人もいる。
同じ人が、違う状況の下で違う反応を示す。