顧客の創造という目的を達するには、富を生むべき資源を活用しなければならない。
資源を生産的に使用する必要がある。
これが企業の管理的な機能である。
この機能の経済的な側面が生産性である。
近年、生産性を論じる人は少なくない。
生産性の向上すなわち資源の活用が成果を左右し、生活水準の向上をもたらすことは、もはや常識である。
ところが、我々は生産性についてわずかしか知らない。
その測定さえ十分できない。
必要とされているものは、労働だけが唯一の生産要素であるとする生産性のコンセプトではない。
成果に結びつくあらゆる活動を含む生産性のコンセプトである。
さらに言うならば、そのようなコンセプトさえ、目に見える直接的なコストとして測定できるものに限定していたのでは正しいとは言えない。
つまり、会計学の定義に従っていたのでは間違いになる。
なぜならば、目に見えるコストの形はとらなくても、生産性に重大な影響を与える要因がいくつかあるからである。
①知識 … 知識とは正しく適用されたとき、もっとも生産的な資源となる。
逆に間違って適用したとき、もっとも効果でありながら、
まったく生産的でない資源となる。
②時間 … 時間はもっとも消えやすい資源である。
人や機械をフルに使った時と、半分しか使わなかった時では
生産性に大きな差が生じる。
③製品の組み合わせ(プロダクト・ミックス)
… 製品の組み合わせとは資源の組み合わせでもある。
④プロセスの組み合わせ(プロセス・ミックス)
… 部品を買うのと自分で作るのといずれが生産的か。
組み立てを内製するのと外製するのといずれが生産的か。
販売を流通業に任せ彼らのブランドを使わせるのと
自らの販売網を使い自らのブランドを使うのといずれが生産的か。
⑤自らの強み
… いかなるマネジメントといえども万能ではない。
収益が見込める事業すべてに進出すべきであるとは限らない。
いかなるマネジメントにも能力と限界がある。
従って、それぞれの企業とそのマネジメントに特有の能力を活用し、
特有の限界をわきまえることも生産性を左右する。
⑥組織構造の適切さ、及び活動期間のバランス
… 組織構造が不適切な為に、マネジメントが自らなすべきことを行わなければ、
マネジメントという企業にとって最も希少な資源が浪費されることになる。
トップマネジメントが、マーケティングに関心を寄せるべきであるにも関わらず、
技術にしか関心を示さなければ、生産性は低下する。
その結果被る損失は、単位時間当たりの生産性の低下による損失をはるかに
上回る。
これらはすべて、労働、資本、原材料など、会計学や経済学のいう生産性要因に追加すべき要因である。
いずれも重要である。