化粧品会社のエイボン・プロダクツ社は、このような考え方に沿って、
マーケティング戦略を変化させてきました。
彼らの取り組みは興味深いものです。
従来のやり方は、もちろん、エイボンレディが売るやり方です。
「エイボン・コーリング(エイボンからうかがいました)」
というやり方です。
しかし、さまざまな理由から、ここ数年、
このような方法では売り上げが落ちてきていました。
より多くの女性が外に働きに出るようになって、
エイボンレディが訪ねて来ても、家には誰もいなくなりました。
また、女性が、もっとさまざまな、もっと稼げる仕事に就けるようになって、
エイボンレディを採用し、雇用し続けることが、
これまで以上に難しくなってきました。
これらの困難に対して、エイボンでは、
いくつも興味深い取り組みを行いました。
一つには、エイボン・ファッション・カタログを使って、
通販によるマーケティングを始めたことです。
エイボンという名前、評判、そして、疑問の余地は無いですが、
エイボンレディによって集められた顧客名簿を活用して、
エイボンは、女性ファッションの通販会社になることに成功しました。
そして、それによって、セールスレディの組織を飛び越えて、
直接、顧客に商品を販売するようになったのです。
また、最近では、仕事が終わった後、自宅を訪問して商品を売るのではなく、
セールスレディが、その会社の同僚にエイボン製品を
販売できるような方法について、検討中であることを明らかにしました。
現代のエイボンレディは、フルタイムの仕事に就いていて、
エイボン製品を売るのは、お小遣い稼ぎということだそうです。
さらにエイボンは、自社の名前や評判を利用して、
全く別の化粧品シリーズを小売店に卸しています。
エイボンが、セールススタッフによる販売を続けたいと考えているのなら、
彼らがそうしているとは、私は聞いていませんが、
追求すべき戦略がもう一つ存在します。
第一に、セールスレディの収入機会を大幅にアップすること。
そして、第二に、女性だけでなく男性をも巻き込んで、
夫婦がチームを組んで、一緒にパートタイムで
エイボンの仕事ができるようにすることです。
第一の目標は、アムウェイ社などマルチレベル・マーケティングの会社のように、
歩合によって給与が変わるようにすれば実現できます。
また、買収によって商品ラインを拡大することも有効です。
私がエイボンの経営者なら、
例えば、 プラスチック製保存容器の製造販売を行う
タッパーウェア社のような会社の買収を考えるでしょう。
買収によって、二つの会社の商品、販売組織を結集させるのです。
第二の目標についても、男性がマーケティングするのに
ふさわしい商品を売っている会社を買収することで
達成できるかもしれません。
とはいえ、エイボンの経営陣が、ブレークスルーの可能性について、
慎重に検討し、いろいろと試しているのは明らかです。
これは、ビジネスを再定義し、より良いものにしようとする取り組みであり、
今日の急速に変化するビジネス環境で成功を収めるのに不可欠な考え方
なのです。