![](https://stat.ameba.jp/user_images/20200705/19/ff22302370/5a/c7/j/o0900059814784631138.jpg?caw=800)
「 お や ? ここはどこだ ~ ? 」
巨人国の海辺から鷲に持ち去られた
ガリバ~の乗った箱は 途中で落とされ
樹の大きな枝の又に引っかかり
ツリーハウス状態になっていました。
窓から顔を出していると
下から声が聞こえました。
「 あぁ ~ お前さんは 誰かね ~ ? 」
「 珍しい乗り物で 飛行なさるのだね 」
「 その飛翔体を ぜひぜひ
研究させてもらいたいですなぁ 」
ガリバ~は驚いて 声のした方を見ました、
そこにはガリバ~と同じくらいのサイズの人たちが
箱から顔をのぞかせたガリバ~を見上げていました。
「 ちょっと お尋ねしますが
ここはどこでしょう ? 」
「 ここかい ? 」
「 なんだ 知らないのかい ? 」
ガリバ~は 重ねて聞きました。
「 もしかして ここ エゲレスですか ~? 」
「 いいや 変な箱に乗り旅する お人よ
ここは 王立公園 じゃよ ! 」
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
彼等はガリバーを眺めて驚いている様子でしたが、
ガリバ~の方も 驚いてしまったのです。
彼等の上衣は、太陽、月、星などの模様に、
フィドル、フリュート、ハープ、
トランペット、ギター、
そのほか、いろんな楽器の模様を交ぜています、
まるでコミックバンドのバンドマンのようなのです。
「 あなた達は 芸人なんですか ? 」
ガリバ~は聞きました
「 なぜかね ? 」
「 公園で何かパフォーマンスをするんでしょう ?
だって そんな服装は 普通じゃないよ 」
「 そうかね ?
君のほうが無地の服装で変じゃないかい ? 」
「 これはこれで 上品でシックなんだよ
巨人国の王室御用達のテーラーに作ってもらったんだ
オイラの国 エゲレスでは コミックバンドや
ボードビリアンが そんな格好をしてるよ 」
「 人それぞれ 顔が違うように
服装も色々あったほうが良いと思うがねぇ 」
「 そんなものかなぁ 」
「 エゲレスは地味じゃなぁ 古臭そうだな
もっと ポップなほうが楽しいぞ 」
「 まだ18世紀ですから
ポップ・カルチャーが流行りになるのは
まだまだ先のことでしょうね 」
「 とりあえず 変な飛翔体に乗ってきた
珍しい訪問者ということで
変な物の好きな王様に拝謁したまえ 」
ガリバ~は お城に連れて行かれました
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20200705/19/ff22302370/75/2d/j/o0300030014784633328.jpg?caw=800)
街は上流階級が住むような 瀟洒な作りでした。
それもそのはずで ここは、
極東のもっと東の島国 バルニバ~ビの首都で
国王の宮廷もある場所だったのです。
彼らは貴族で 付き添う召使風の男たちがいて、
スリッパのような物を持ち歩いています。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20200705/18/ff22302370/2b/93/j/o0480048014784627302.jpg?caw=800)
召使は、このスリッパで主人の頭を叩きます。
なぜか この国の人間は、
いつも 何かしら熟考しているので、
叩かないと 他人とコミニュケーションを
とることもできないからです。
そこで、彼らは叩き役を一人
召使としてやとっており、
外へ出るときには、必ず同行させます。
召使の仕事というのは、
このスリッパで主人を叩くことなのです。
「 なんでやねん ! 」
<< バチン ! >>
「 いいかげんにしなさい ! 」
<< パン! >>
「 あんたとは やってられんわ ! 」
<< パシーン ! >>
主人は なぜか考えごとに夢中になっていますから、
うっかりして、崖から落っこちたり
溝に はまりこんだり、
下手すると 建物の高層階から
転げ落ちてしまうかもしれません。
続 く