最終話 巨人国編 ガリバ~旅行記16 | 藤花のブログ 詩と

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この胸に 湧き上がる気持ちを 言葉にして あなたに贈りたい

「 おおぉおぉ~ぃぃい !

  ガリバ ~ よぉぉお ~! 」

 
  ガリバ~は 大声に目を覚まし 驚きました。


「 ガリバ ~ ! カムバ ~ ック ~! 」


  下の方から 大声が聞こえるのです。


「 どうしたことだ 

  地面の下から 声がするぞ ? 」


  しかし そうではなく 

  ガリバ~の入った箱の上についている取手を

  誰かが引っ張りあげているのです。

  ガリバ~の箱は空高く引き上げられ行きました。


  窓から下を見ると王様王妃様一行が 

  こちらを見上げ


「 ガリバ~ ! 」 「 ガリバ~ ! 」 

  と 叫んでいました。


  ガリバ~と巨人の国との別れは 

  突然に訪れたのでした。


「 王様 ~! 王妃様 ~!

  あぁぁ あんなに小さく見えるよ ~ 」



  王様 王妃様たちは飛び跳ねて

  手を大きく振りながら 叫んでいましたが 

  その姿は だんだん小さくなり

  声も聞こえなくなりました。


  しばらくハンモックが ひどく揺れました、

  ガリバ~はハンモックにしがみついていました。

  

  その後は水平に移動しているようで、

  揺れは収まりました。


「 だれか 助けて ~! 

  高いよ ~! 怖いよ ~! 」


  大声を張り上げて呼んでみましたが、

  もはや誰も答えてくれません。

  窓から外を見ると、見えるものは雲と空ばかり、

  そしてガリバ~の すぐ頭の上で、


<<  バッサ ! バッサ !  >>


  羽ばたきの音が 聞えるのでした。

  ガリバ~は 今、

  自分がどんな状態なのかわかりました、

  一羽の鷲がガリバ~の箱を足で掴んでいるのです。

 
  鷲は やがて箱を岩の上にでも落して、

  中からガリバ~の身体を ほじくり出して 

  自分が食うか、ひなの餌にでもするつもりなのでしょう。


「 あぁ 人生 山あり谷あり

  小人に称賛されたり 巨人にからかわれたり、

  持ち上げられたり 落とされたり

  波瀾万丈な 一生だったなぁ

  もう少し 美味しいものが食べたかったなぁ ~

  スイカ割りした スイカや 

  海岸でのバーベキュー楽しみたかったなぁ ~ 」


  しばらくして、羽音が烈しくなったかと思うと、

  箱は まるで風の中の看板のように 

  ひどく揺れだしました。

  今度は何か ズシンと ぶつかり合う音がして、

  突然、ガリバ~の乗った箱は 

  まっ逆さまに落ちて行きました。


  他の鷲が 箱の中のガリバ~の匂いを嗅ぎつけ

  高カロリーのごちそうにありつこうと

  襲いかかってきたのでした、

  空中戦のさなか 鷲は掴んでいた箱の

  取手を離してしまったのです。


  自由落下で ガリバ~の体が浮かび上がります、


「 うひゃぁ ~ 無重力体験だよ ~!

  ゼロ・グラビティ~だよ ~! ぷかぷか ~ 」


  恐ろしい速さでした。


  やがて 何かに箱が ぶつかりました。


<< どかどか どすどす >>

<< ばきばき かたぴし !! >>


  落ちてゆくのが 止ったかとおもうと、
 
  窓から光が見えました。


「 おや ? ここはどこだ ? 」


  箱は 樹木の枝をかいくぐり

  樹の大きな枝の又に引っかかり

  ツリーハウス状態になっていました。


  下から誰かの声が聞こえました。


「 あぁ~ お前さんは 誰かね ~ ? 」


「 珍しい乗り物で 飛行なさるのだね 」


「 その飛翔体 ぜひ研究させてもらいたいですなぁ 」


  ガリバ~は驚いて 声のした方を見ました、

  そこにはガリバ~と同じくらいのサイズの人たちが

  箱から顔をのぞかせたガリバ~を見上げていました。


「 ちょっと お尋ねしますがぁ ~

  ここはどこでしょう ? 」


「 ここかい ? 」


「 なんだ 知らないのかい ? 」


  ガリバ~は 重ねて聞きました。


「 もしかして ここ エゲレス ですか ~? 」


「 いいや 変な箱に乗り旅する お人よ 

  こ こ は 、、、

















「 『 ラ ピ ュ タ 』 じゃよ ! 」





   ガリバ~旅行記 巨人編 

     おちまい






 「 ガリバ~旅行記 ラピュタ編 」


    それはまた 別の機会に 。 


   『  バ ル ス ! 』