巨人国編 偽作ガリバ~旅行記 6 | 藤花のブログ 詩と

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この胸に 湧き上がる気持ちを 言葉にして あなたに贈りたい

  今では ガリバ~は 国王陛下にも

  すっかり気に入られました。

  王様は ガリバ~と話をするのが面白いようで、

  エゲレスの風俗、法律、政治、学問などについて、

  ガリバ~に問いかけます。

  ガリバ~もできるだけ、答えるのでした。


「 ネズミ並の ちっぽけな人々が住む

  ガリバ~の ちっぽけな国では

  ちっぽけな 巣穴なども作るのか ? 」





「 人が住むのは 巣穴じゃありませんて

  一応 人間ですから

  木材やレンガを組み上げて大工が家を作ります 」


「 ほう 建築もできるのか 感心じゃのう

  ネズミにしたら器用であるよのう うほほほ ♪ 」


「 オイラたちは ネズミじゃぁありませんよ !

  王室があって 爵位とか 称号もあるんですよ

  華やかな社交界もあり 

  タキシードやドレスなどで着飾った高貴な人たちが

  舞踏会で 踊ったりするんですよ 」




「 ふ~む ネズミ並なのに 一応 順列があるのだな

  ダンスパーティーを開いて

  着飾って コマネズミのように 

  くるくると 回ったりするのじゃな

  はたして それに意味があるのかのう

  うほほほ ♪ 」


「 エゲレスは 国内の産業だけでなく 

  植民地経営したり 他国と貿易をしたりして 

  がっぽりと 儲けたりするんですよ 」


「 ほう 他の国にまで手を出し

  12進法で 10進法の国を騙して

  2割 上前を跳ねて 利益を出すのじゃな

  お主の国も なかなか悪だのう うほほほ ♪ 」


「 政党だってあるんですよ 

  政策を競い合ったり 政権交代したり  」


「 でも どこの政党が政権を担当しても 

  約束は守られず 民意は組み上げられず

  置いてけぼり

  結局 何も変わらなかったり

  元の木阿弥になったりするのではないのか ?

  自ら政治を志す輩に限って 

  腹の中では 利益誘導 利権確保など

  悪いことを考えているのじゃないのかぁ ?

  うほほほほほほほ ~ ♪ 」


  王様は、右手にガリバ~をつまみ上げ、

  左手で静かにガリバ~をなでながら大笑いしました。

  それから 陛下の後に控えている首相を見て、

  こう言いました。


「 ネズミのような小さい体を着飾って見栄を張ったり、

  互いに裏切ったり 欺いたり 喧嘩したり、

  他国を搾取したり、

  サイズにかかわらず 人の存在とは

  愚かしいものかも知れぬよのう

  我々は ガリバ~たちより大きくても 

  自戒せねばならぬよのう うほほほほほほ ♪ 」

  
  自分の祖国が 軽蔑されるのを聞いて、

  ガリバ~は 腹が立つやら 情けないやら

  顔が 真赤になってしまいました。



「 しかし よく考えてみると、

  もし ドブネズミたちが着飾ったり

  自分たちに優劣をつけ 他者を蔑んだり

  必要以上に利益を求めて 他国を植民地にしたり

  差別したり 搾取したり

  そんな有り様を 人間たちの目で俯瞰してみれば

  大笑いし 噴き出すかもしれないなぁ、

  今、この国の王様がオイラを笑ったように、

  オイラも彼等を笑ってしまうかもなぁ 、、 」


「 何を ごちゃごちゃ 申しておるのじゃ ?

  口数の多いネズミじゃわい うはははは ♪ 」

  
  人とは 矛盾ばかり抱えて生きている 

  自分では 賢いと思っているだけの 

  実際は とても愚かな動物なのかもしれません。


        続 く