ガリバ~旅行記 7 | 藤花のブログ 詩と

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この胸に 湧き上がる気持ちを 言葉にして あなたに贈りたい


   
大飯食いのガリバ~のために

   
元々は豊かだったこの国も 厳しい食糧難になり

   
王室は その対策に会議を重ねました

  
やがて、1つの結論が出ました。























   それは、














 他国への 侵略です。

  
 食糧確保のため、

 敵国を支配下に置こうと考えたのです。

 王室からの使者が来ました。



「 王様からの 御命令が下った、

  正式にガリバ~を国軍の名誉三等兵に任命する、

  敵連合国を 侵略して、食料を確保せよ ! 」


「 えええぇぇぇぇ ~? 

  オイラ抑止力として、本土防衛はしてもいいけど、

  侵略は嫌だなぁ ~

  今度は 人が死んじゃうかもしんないじゃん 」



「 我が国の存亡の危機なのだ、

  国民が飢え死にしてしまう 」


「 ど~して ? 

  もともと この国は食料が豊富で 

  豊かな国じゃないのぉ ? 」


「 お前の食事のため、食料が不足している、

  急激な人口爆発と同じ状況になってしまい、

  お城の周囲でさえ開墾をしている、

  近海の魚は取り尽くして 

  戦艦は遠洋漁業に出かけて まだまだ帰ってこない、

  現在は 王室でさえも満足な食事を摂れないのだ 

  王様も やせ細っておられる 」



「 あぁぁ なんて不条理 !

  なんて 矛盾した存在になっているんだ

  オイラ ~! 」



「 まぁ 背に腹は変えられない

  頼む このとおり 」


  使者は 頭を下げました。

  

「 オイラ 船乗りだから 

  悪政で庶民が飢えている国が多い事も知っている

  この国は 元々は豊かで

  それは善政が 為されていたからなのだろうな

  オイラが来たから国民が飢えてしまっているのかぁ 」



「 残念ながら そういうわけなのだ 」



「 しょうがないかなぁ ~

  ところで どうやって敵国に行くの ?

  泳ぐの ? 」



「 心配はない、流れ着いた巨大なボートがある、

  それで攻め行って欲しい 」



「 それ きっと 

  オイラが乗ってきた救命ボートだな 」


「 敵国に、降伏を促す勧告書を突きつけるのだ、

  そして 食糧援助させるのだ、

  従わなければ 手当たりしだい ぶっ壊して、

  食い物も 現地調達して 食べてかまわない 」



「 えぇ ~? 」

  

「 侵略したら、食い放題だぞ 」



「 でも もし けが人や 死人が出たら

  オイラ やりきれない気持ちになるなぁ 」


「 このままでは 我が国に 

  大量の餓死者がでることになる 」


「 ううぅぅ 困ったなぁ 」



<<<  ぐ ぅ ぅ  う う う う~ ! >>>



  ガリバ~の腹が鳴りました 。


「 う~ん オイラも ひもじいし、

  この国の人達に あんまりにも迷惑になっている

  しょ~がない 行くとするかぁ 、、、 」


「 そうか 行ってくれるか 恩に着る 」


。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。



「 がんばれ ~! 」


「 御武運を 祈ります 」


「 やっちまえ ~! 」




  声援に送られ ガリバ~は 

  えっちらおっちらと、ボートを漕ぎ出しました。


  
「 腹 減ったなぁあ ~ 」


  ぼやきながら ガリバ~はボートのオールを操ります。


「 しかし敵国に行っても

  おいらの食料を確保できるのかなぁ ?

  もしかして飢餓の輸出になるんじゃないのかなぁ ? 」


  ガリバ~は 思案しました。


「 人は 互いに争うことなく 助けあって 

  人殺しの武器ではなく 人を生かすための 

  道具を作らなくてはいけないだろうな

  殺し 搾取し 奪うより 

  力を合わせ 共存の道を 探さなければいけない

  一発の弾丸より 一粒の種のほうが

  より良い未来を 切り開けることだろう

  人は いつになったら 本当の知恵を

  獲得することができるのだろう ? 」


  自分の事はさておき そんな事を考えました。
  


「 おやぁ ? 」



  にわかに、天候が荒れてきました、


  強風が吹き、大波が立ちました、


  身に覚えのある、明らかに やばい展開です。


「 まさか ? もしかして ? また ? 」


  予想通り 時空を捻じ曲げるような大嵐が吹き荒れ

  大波に転覆したボートから 放り出され、

  ガリバ~は逆巻く波に もみもみと揉まれました。






「 うわぁぁあ 溺れるぅぅぅ 

  あっぷ あっぷ うげげげ 

  ぶくぶく 。。。 」


















  さて、どれくらいたったのでしょう。
                                    
  海に投げ出されたガリバ~が ふと気がつくと、
 
  地面に寝かさせていました。






 「 なんだぁ コイツ 」


 「 これでも 人間か ? 」


 「 えらく 小さいぞ 」


 「 人形じゃね ? 」


 「 おやぁ 動いたぞ 」


 「 これが 小人と言うものか ? 」


 「 いゃ~ん ♪ 変な顔 」


 「 パグとか フレンチ・ブルドッグみたいな感じね 」


 「 うふっ ブサかわいい 手乗りにできそう ♪ 」


 「 おいおい 手荒にあつかうと潰れちゃうぜ

   プチっとな 、

   そうしたら これは 生ごみで出せるのか ~? 」



 「 ぎゃぁぁ~~! 

   オイラを つまみ上げないで ~~!

   ひゃぁぁぁ ~~~!

   高いよ ~! 怖いよ ~!

   ちびっちゃうよ ~~! 」



 「 あら ポケットにも 入りそうねぇ

   ペットに しようかしら うふふふ ♪ 」




   あたりには、数え切れないほどの巨人たちがいました、

   そして、つまみ上げられたガリバ~を

   皆が 不思議そうに見つめているのでした。






 「 うそぉぉぉ ~! 誰かぁぁぁあ ~!
 
   今度こそ これは夢だと言ってくれ ~ ! 」







   ガリバ~に心安らぐ日は訪れるのでしょうか?

   それは また いつかの日に 別のお話で。


       おしまい


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