、
「 心頭滅却すれば火もまた涼し なのだ ~! 」
「 なに、わけ分かんない事 言ってるんだよ ~! 」
「 東洋の ありがたい思想なのだ ! 」
「 そんなわけ あるかよぉおおお ~! あちちち!
ほんとに し~ぬってばよ ~~~~!! 」
「 もっと 薪を くべろ ! 」
「 燃やせ 燃やせ 」
「 生き返らないように 骨まで燃やせ ~ ! 」
「 いやぁ ~ 良く燃えてますなぁ ~ 」
「 やっぱりキャンプファイアーは楽しいですねぇ 」
「 こんがり 焼きあがりそうですなぁ 」
「 王様と 救世主様ですから 豪勢ですなぁ 」
「 ほんと めったに見られるもんじゃないですねぇ 」
「 炎を 天まで届くように 燃やせ ~! 」
群衆は お祭り気分で浮かれて はやしたてます。
「 その処刑を まてぇぇぇぇえええ ~!! 」
馬にまたがった男が
大声で叫びながら 駆けてきました、
後から軍隊の騎馬隊、馬車隊が続いてきました。
大群衆が 何事かと振り返りました。
「 今 お城で 臨時革命政府が 樹立された、
王政は 廃止されたのだ ~!! 」
その者は お城からの 伝令の者でした。
次々と 軍隊が到着しました。
「 うおぉぉぉぉおおお ~! 」
「 王による 強権政治が終わった ~! 」
「 夜遊びが うんと出来るぞ ~! 」
「 浴びるほど 酒が 飲めるぞ ~! 」
「 酒池肉林 酒とバラの日々がよみがえるぅ ~! 」
「 自堕落で ふしだらな乱れた生活大好き ~! 」
「 さっそく今夜からお下劣なパーティ開くぞ ~!
うっひひひひっ ♪ 」
「 お下劣な夜の店も早く再開してもらいたいものだ、
げひげひひ げひ~ん ♪ 」
大群衆から 喜びの大歓声が上がりました、
王様の恐怖政治が 人民のリンチによってでは無く
王権剥奪、政権交代という形で正式に終わったのです。
抑圧されていた生活から開放されると喜んだ大群衆、
彼らの関心は メロスから急速に失われました。
「 あんだってぇぇええ ~~?
それでオイラ どうなんのよ ?
お~い ! だれか 教えてよ ~!
ごほ ごほ ごほっ ! 」
王様の恐権政治を 恐れていたけれど
王様とは これまで 我が身可愛さで
表立って直接対立していなかった
穏健派の第三勢力の臣下達は
密かに政権転覆を画策していたのです。
メロスの大群を率いての行進が きっかけとなり,
反デイオニオス王運動が表面化し、
王様と近衛兵が お城を不在にしている隙に、
彼等は お城に残った軍と組み
政権を奪取したのでした。
「 とりあえず 公平な裁判を開くので
処刑は 中止せよ ~! 」
薪に 水がかけられ 火が消されました。
<< ば し ゃっ !! >>
<< じ ゅ ~ !! >>
真っ白い煙やら、水蒸気などが立ち上りました。
「 ごほごほっごほっ !
たすかったのかなぁ ? オイラ ?
おい ! 王様 ! なんとか言えよ ~! 」
「 わしは もう 王様ではないのだ。
でも これも 天命なのかもしれないのだ、
これでいいのだ ~ げほほほっ ! 」
大群衆は 軍隊により 解散させられました。
熱狂の お祭りのような処刑見物は終りました。
「 あれぇ 俺たち 今まで
何で あんなに興奮してたんだろ ? 」
「 ほんと あんなに薄汚い男の処刑なんて
面白いわけ無いものなぁ 」
「 ボロ雑巾 燃やすようなものだもの ~ 」
「 よくわからないけど
これが群集心理というものなのかなぁ ? 」
「 とんだ 時間のムダ使いだったよ 」
腹減ったから 帰ろうっと 」
「 どっかで 1杯 きゅ~と やりたいねぇ 」
「 会員制秘密地下酒場に行こうぜ
おれスペシャル会員なんだ 」
「 何が飲める ? 」
「 よくわからない密造酒 よりどりみどり 」
「 大丈夫かよ そこ 」
「 ヤバイかもとマゾヒスティックな気持ちで飲める
マニアックな酒場だ、目が潰れる酒もあるぞ 」
「 メチルアルコールかよ !
悪酔いしそう 、、、
いや 命の危険が危ない デンジャラスだ 」
騒ぎ疲れた皆が憑き物が落ちたように、
夢から覚めたように呆けた顔をして
それぞれ 処刑場を後にしました。
で メロスは と 言うと 、、、、。
「 騒乱罪の 首謀者として 逮捕する ! 」
「 じぇじぇじぇ !?
助かったと思ったら また逮捕されるのぉ ~?
振り出しに戻っちゃうじゃないの ~?
まだ 続いちゃうのぉぉおお ~? 」
続 く