歩けメロス 20 完全決着 | 藤花のブログ 詩と

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この胸に 湧き上がる気持ちを 言葉にして あなたに贈りたい

「 くらえ ! 」

  近衛隊長が 正拳突きをしました。





   ケントリュウスは 拳に拳を合わせました。

<<  がつ~ん ! >>







「 ぐわぁぁ ~ こぶしがぁぁ ~! >>

  近衛隊長は 拳を押さえて 悲鳴を上げました。

「 ふふふ どうせ日頃 

  やわなサンドバッグでも叩いていたのだろう、

  俺の拳は 立木や岩を叩き 鍛えているのだ 」


「 ちっくしょぉぉおお ~! かくなる上は 」


  近衛隊長はブーツのかかとを

  地面に強く打ち据えました。


「 ア チ ョ ~ ! 」


  近衛隊長が 怪鳥音を発し

  前蹴りを繰り出しました。


  ケントリュウスは両手を交差させ

  蹴りを受け止めました。


<<  グサッ ! >>


  ケントリュウスの腕から 鮮血が流れました。


「 むむ、靴の先に刃物を仕込んでいるのか ! 」

 
「 そうだ、飛び出すナイフを仕込んだ 

  優美で上等で 危険なブーツだ、

  特注品で 高かったんだぞ 」


  近衛兵長は 次々と蹴りを繰り出します、

  その足さばきは まるでコサックダンスのようでした。

  ケントリュウスは 右に左にと体をかわします。


「 ぜい、ぜい、ぜい 」


  蹴りをかわされ続け

  近衛兵長の息が上がってきました。


  一瞬の隙きをつき ケントリュウスが

  身を屈めてから 飛び上がり、近衛兵長の顔面に 

  打点の高いドロップキックを叩き込みました。


<<  ビ シ ッ !  バキッ ! >>


「 うぎゃぁぁあ ~! 鼻がぁぁあああ ~! 」


  近衛隊長の鼻は 横を向いてしまいました。


「 流石に顔面は 脂肪の鎧とはいかなかったな 」

 
  近衛隊長は 鼻血を吹き出し、

  もんどり打って倒れ 後頭部を打ちました。

  すかさずケントリュウスは

  近衛隊長の 凶器ブーツを脱がしました。


「 どうだ、まだやるか ? 」


「 ば~ろぉお ! 

  お前とは もうやってられんわ !

  昔のよしみで今日はこれで勘弁して見逃してやる。

  楽しいパーティは お開きだ !

  いいか 追いかけて来るなよ !

  絶対に 追いかけてくるなよ !

  大事なことだから 二度言ったぞ !

  覚えておれ ~! ほな さいなら ~ 」

  そう言うと近衛隊長はスタコラ逃げ出しました。


「 あっ 逃げ出した ~! 」

「 とっ捕まえろ ~! 」

  今まで固唾を飲んで見ていた群衆が声を上げました。


「 ばっきゃろぉ ~!

  てめえらになんぞ 捕まってなるものか ! 」


「 逃がすな ~! 」


「 どけ ! ブサイク女 ! 」


<<  ど ん ! >>

  近衛隊長は 目の前の女性を突き飛ばしました。

 
「 なんですって ~!

  お兄ちゃんは ブサイクだけど、

  あたしは違うわよ ~! 」

  メロスの妹でした。

  彼女は 突き飛ばされながらも、

  柔道のカニバサミの技のように、

  自分の足を 近衛長の足に絡めました。


<<  ぐ わ し ! >>


「  うぎゃぁ ! 」


<<  ば た ん  ! >>


  近衛隊長は もんどりうって 倒れました。


「 嫁入りしたばかりの 

  こんなにも 麗しくも 可憐な

  新婦の あたしになんて失礼なぁああ ~! 」


  怒りに任せ メロスの妹は 逆エビ固めで

  近衛隊長を押さえ込みました。


「 でかした、さすが わが妻 ! 」

  義弟が 倒れた近衛隊長の頭を 

  躊躇なく 蹴り飛ばしました。


「 いよいよ 座も盛り上がってまいりました ~♪ 

  景気を つけましょう ~♪ 」

  宴会の太鼓叩きが バチを使い32ビートで

  近衛隊長の頭を殴りつけます。


<< ドカドカドカドカドカドカドカ 、、 >>


「 ひぃぃい いたい いたい いたい 」


「 痛いんですかぁ ?

  では癒しの妙なる調べを聞かせてあげましょう~♪ 」

  宴会笛吹きが 耳元で笛を吹きます。


< ♪ ぴ~ぃぃひゃら ♪ ぴぃぃ~ひゃらら~ ♪ >


「 うわ~ぁ!

  お前、音感てぇものがあるのか ~! 」


  相対音感の持ち主の近衛兵長は

  音程の微妙に狂った音に 激しく悶絶しました。
 

 「 耳が腐る ~! 脳みそにウジがわく ~! 

   ひどすぎる ~! 」
 

「 お出かけできなくて残念でしたね

  れれれのれ ~♪ 」


  近衛隊長は群衆に捕らえられ なぶられるように、

  ボッコ ボコ フルボッコの袋叩きになりました。


「 うぎゃぁ~ いたぁ~い ! ごめんなさ~い ~!

  もう殴らないで ~! 許してちょんまげ ~!

  すっぱり 寝返りますからぁああ ~! 」



      続 く