、
「 くたばれ !
必殺 脳天唐竹割り ! あぽぅ ! 」
鋭い気合とともに 近衛隊長の剣が
上段の構えから 目にも止まらぬ速さで
ケントリュウスの頭に振り下ろされました。
<<< ガ キ ~ ン ! >>>
両腕で構えた剣で ケントリュウスは
頭上で刃を受け止めました。
近衛隊長の剣が火花を上げ
ケントリュウスの剣に食い込みました。
近衛隊長は剣を力まかせにそのまま押しこみます。
「 ケントリュウスめ !
新兵の頃から 俺を蔑むような目つきで見る
お前が嫌いだったんだ ! 」
「 ほう そうなのか 」
「 だがオレは王様に媚びへつらい
近衛隊長に出世した、
お前は脱走して 山賊に落ちぶれた 」
「 理不尽な王には従えない ! 」
「 あまちょろいな
ただただ武芸だけに精進、
出世には目もくれず 王様に背いた部下をかばい
無作法に王様に諫言をする、
そんな粗野で厚かましく むさ苦しい お前がな ! 」
近衛兵長の剣に 徐々に押し込まれ
ケントリュウスの両刃の剣は
彼自身の体に迫って来ました。
「 どうした 山賊に身を落として、
ろくに食えず痩せて腕が鈍ったんじゃないのか ?
貧すれば鈍すだな ! うわっははは ♪ 」
「 お前こそ たらふく食って
また 体重が増えたようだな、
動きが鈍いんじゃないか、
一撃必殺と謳われた自慢の剣筋が
今は よく見えるぞ ! 」
「 うぬぬぬ ! ぬかすな !
このまま首と胴体を切り離してくれるわ ! 」
近衛兵長はスーパーヘビー級の全体重を剣にかけました、
「 疑獄に落ちろ ! ぜいぜい 」
自身の両刃の剣が
ケントリュウスの頸動脈に迫ります。
「 どうした 呼吸が荒いぞ ! 」
「 やかましい ! 早口で細かい設定を
説明口調でしゃべったからだ ! 」
「 ふふふ では もういいだろう、
遊びは ここまでだ !
今度は 俺の剣を受けてみよ ! 」
ケントリュウスが形勢不利な
鍔迫り合いの態勢から剣を払いあげ
近衛隊長の胴体を 横払いに切りつけました。
<< ガチョ~ン ! >>
近衛隊長は手にした金属の盾で一撃をかわしました。
「 うはは 甘いな 夏のボーナスをつぎ込んだ
特注品の特別誂えの金属を叩いて作る鍛鉄製の盾だ
鋳物に流し込んで作った安物の
鋳造製の支給品の盾とは 強度が違うのだ、
剣だって ダマスカス鋼の 軽量化薄造りで
美しい装飾を施された超高級品だ
そんじょそこらの剣とは 切れ味が違うのだ、
カミソリのごとき切れ味だ
貴様の安物の なまくらな剣など屁でもないわ ! 」
「 ほう では見せて貰おうか
その鍛鉄製盾の 性能とやらを ! 」
ケントリュウスは 袈裟斬りで斬りかかりました。
<< ガチョ~ン ! >>
「 ぐっ ! うぬぬ !
硬く軽量の盾ゆえに受ける衝撃が強い 、、 」
「 たとえ特別あつらえだろうと
武装の性能の違いが 戦力の決定的差では
無いということを教えてやる ! 」
渾身の力を込めた気迫の剣が
互いに攻撃し 受け止め 火花を飛ばします。
<< ガチョ~ン ! >>
<< ガチョ~ン ! >>
<< ガチョ~ン ! >>
<< ガァチョ~~~~~ン ! >>
「 あぁぁあああ ! 」
連打された衝撃で近衛隊長の盾が
弾き飛ばされました。
「 おのれ ! ならば剣のみで戦うだけだ ! 」
近衛隊長は 両手構えの剣で切りつけました。
「 さぁ 来い ! 」
<< ガァキ~ン ! >>
互いの剣が ぶつかり合い切り結びます。
10回 20回 30回と
互いの剣と剣が ぶつかり合い、
派手に火花が飛び散ります。
「 どうだ ダマスカル鋼の剣の抜群の切れ味
貴様の なまくらな剣に 簡単にくいこむわ ! 」
「 うぬぬ ! 」
「 一気に勝負をつけてやる !
最後の 一撃を 喰らえぇぇえええ ~!! 」
<< ガァキィィ~ン ! >>
<< バキ~ン ! >>
「 ぁあああ ~! 」
続 く