歩けメロス 15 鍔迫り合い | 藤花のブログ 詩と

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この胸に 湧き上がる気持ちを 言葉にして あなたに贈りたい


 
「 くたばれ ! 

  必殺 脳天唐竹割り ! あぽぅ ! 」


  鋭い気合とともに 近衛隊長の剣が


  上段の構えから 目にも止まらぬ速さで 

  ケントリュウスの頭に振り下ろされました。

   









 <<<  ガ キ ~ ン ! >>>


  両腕で構えた剣で ケントリュウスは 

  頭上で刃を受け止めました。

  近衛隊長の剣が火花を上げ 

  ケントリュウスの剣に食い込みました。

  近衛隊長は剣を力まかせにそのまま押しこみます。


「 ケントリュウスめ !

  新兵の頃から 俺を蔑むような目つきで見る

  お前が嫌いだったんだ ! 」


「 ほう そうなのか 」


「 だがオレは王様に媚びへつらい

  近衛隊長に出世した、

  お前は脱走して 山賊に落ちぶれた 」


「 理不尽な王には従えない ! 」


「 あまちょろいな  

  ただただ武芸だけに精進、

  出世には目もくれず 王様に背いた部下をかばい

  無作法に王様に諫言をする、

  そんな粗野で厚かましく むさ苦しい お前がな ! 」


  近衛兵長の剣に 徐々に押し込まれ

  ケントリュウスの両刃の剣は 

  彼自身の体に迫って来ました。 


「 どうした 山賊に身を落として、

  ろくに食えず痩せて腕が鈍ったんじゃないのか ?

  貧すれば鈍すだな ! うわっははは ♪ 」


「 お前こそ たらふく食って

  また 体重が増えたようだな、

  動きが鈍いんじゃないか、

  一撃必殺と謳われた自慢の剣筋が

  今は よく見えるぞ ! 」


「 うぬぬぬ ! ぬかすな ! 

  このまま首と胴体を切り離してくれるわ ! 」


  近衛兵長はスーパーヘビー級の全体重を剣にかけました、


「 疑獄に落ちろ ! ぜいぜい  」


  自身の両刃の剣が 

  ケントリュウスの頸動脈に迫ります。


「 どうした 呼吸が荒いぞ ! 」


「 やかましい ! 早口で細かい設定を

  説明口調でしゃべったからだ ! 」


「 ふふふ では もういいだろう、

  遊びは ここまでだ !

  今度は 俺の剣を受けてみよ ! 」

  
  ケントリュウスが形勢不利な

  鍔迫り合いの態勢から剣を払いあげ 

  近衛隊長の胴体を 横払いに切りつけました。


<<  ガチョ~ン ! >>


  近衛隊長は手にした金属の盾で一撃をかわしました。


「 うはは 甘いな 夏のボーナスをつぎ込んだ

  特注品の特別誂えの金属を叩いて作る鍛鉄製の盾だ 

  鋳物に流し込んで作った安物の

  鋳造製の支給品の盾とは 強度が違うのだ、

  剣だって ダマスカス鋼の 軽量化薄造りで

  美しい装飾を施された超高級品だ 

  そんじょそこらの剣とは 切れ味が違うのだ、

  カミソリのごとき切れ味だ 

  貴様の安物の なまくらな剣など屁でもないわ ! 」


「 ほう では見せて貰おうか

  その鍛鉄製盾の 性能とやらを ! 」

  ケントリュウスは 袈裟斬りで斬りかかりました。





<<  ガチョ~ン ! >>


「 ぐっ ! うぬぬ !

  硬く軽量の盾ゆえに受ける衝撃が強い 、、 」


「 たとえ特別あつらえだろうと

  武装の性能の違いが 戦力の決定的差では

  無いということを教えてやる ! 」


  渾身の力を込めた気迫の剣が

  互いに攻撃し 受け止め 火花を飛ばします。

  
<<  ガチョ~ン ! >>


<<  ガチョ~ン ! >>


<<  ガチョ~ン ! >>


<<  ガァチョ~~~~~ン ! >>


「 あぁぁあああ ! 」

  連打された衝撃で近衛隊長の盾が

  弾き飛ばされました。


「 おのれ ! ならば剣のみで戦うだけだ ! 」

  近衛隊長は 両手構えの剣で切りつけました。


「 さぁ 来い ! 」


<<  ガァキ~ン ! >> 


  互いの剣が ぶつかり合い切り結びます。

  10回 20回 30回と 

  互いの剣と剣が ぶつかり合い、 

  派手に火花が飛び散ります。


「 どうだ ダマスカル鋼の剣の抜群の切れ味 

  貴様の なまくらな剣に 簡単にくいこむわ ! 」


「 うぬぬ ! 」


「 一気に勝負をつけてやる !

  最後の 一撃を 喰らえぇぇえええ ~!! 」


<<  ガァキィィ~ン ! >>


<<  バキ~ン ! >>


「  ぁあああ ~! 」



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