歩けメロス 13 対峙 | 藤花のブログ 詩と

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この胸に 湧き上がる気持ちを 言葉にして あなたに贈りたい






  「 き ゃ ぁ ぁ あ あ あ ~! 」


  <<  グ サ ッ ! >>


    槍の切っ先が 突き刺ささりました。

























 











       地 面 に 。










    兵士は驚きました。

    手にした頑強な槍が あっけなく切断され、

    刃のついた先端が飛ばされ

    地面に突き刺さったからです。

    槍は 母子を貫くことが出来ませんでした。


    槍を切断した男は 幼子と母親に  

    腕を差し伸べ、抱き起こし、 

    近衛兵から逃がしました。

    男が 兵士の前に立ちました。 

 
  「 あぁぁ おっ お前はぁ 、、、 」


    その男は 威風堂々とした大男でした、

    太い腕には 無数の古傷があり、

    明らかに歴戦の強者という風情でした。

 

  「 おいおい ! いいかげんにしやがれ ~! 

    罪無き民を 殺すのは 俺が許さない ~! 」


    男は元兵士の 山賊の親分でした。

    槍を切断した剣を 高々と掲げ持ち

    仁王立ちしています。






    兵士は 気迫に圧倒され 怖気づき 後ずさりました。

    そこへ 近衛兵長が 駆けつけました。


  「 何をしている ~! 歯向かうものは切り捨てろ ! 」


  「 お い ! 

    貴様達は 何をしているのか 

    わかっているのかぁぁぁああ ~! 」


  「 きっ 貴様 ~! 誰かと思えば

    軍を脱走した ケントリュウスか !

    元百人隊長といえど 見逃すわけにはいかんぞ ! 」


  「 そうかい お前は 俺の実力を知っているだろう、 

    剣を交えたならば 無傷で済むものではないぞ ~! 」


  「 しゃらくさいわ !

    野に下って山賊になった 貴様一人で何ができる ?

    しょせん、無駄なあがきだ、返り討ちにしてやる ~! 」


    近衛兵長は 腰の剣を抜き放ちます。

    二人は 剣を構え 龍虎のように睨み合い、

    ジリジリと 間合いを詰めていきます。

    傾き始めた太陽が 二人の剣を

    血に飢えた生き物のように ギラギラと光らせます。


  「 わいわい どやどや がやがや 」


    群衆に襲いかかる 近衛兵たちを 牽制するために、

    部下の山賊たちが 駆けつけました。


  「 きっ 貴様達は 脱走した 元兵士たちだな ! 」

    近衛兵長は 怒鳴りました。

 
  「 これはこれは 近衛兵の偉いさん お久しぶり~ 」


  「 どっも~ こんち 兵長さん 」

  「 おいっす ! 」

  「 おひさ~ 」

  「 ちわ~すっ 」

  「 んちゃ 」 

    元兵士の山賊達は 形だけの挨拶しました。


  「 どたどた ばたばた 」

    近衛兵達も 駆けつけました。


  「 あれ~ 見覚えのある顔が いっぱい ~ 」

  「 どれどれ 」

  「 そういえば ~ 」

  「 ほんとだ ~ 」

  「 おやぁ ? 」

  「 あっ  あの人は ! 」

  「 勇猛果敢で 人望の厚かった、

    百人隊長の ケントリュウス様だ ~! 」

  「 近衛兵長の同期だが 筋を曲げず

    上司にも諫言して 煙たがれ 

    冷や飯を食わされていた 伝説的な猛者だ 」

 
    両軍 対峙しました。

    
  「 皆 脱走の罪で ここで首を跳ねて、

    オレの おできだらけの

    しょっちゅう う△この付いた汚い尻に キスさせてやる ! 

    強者に おもねるには ケツ舐めが一番だ ! うはは ♪

    兵たちよ この者たちを切り捨てい ~! 」

    近衛兵長は 叫びます。


  「 黙れ 黙れ !

    いつまでも こんな世で 良い訳がない !

    そんな事は お前達も 判かっているだろう 、

    ディオニオス王は もう昔の王ではない、

    善政をしていた かっての王ではない !

    恐怖政治を行う 狂気の王に変節してしまった、

    近衛兵よ 目を覚ませ、王の横暴を許すな ~! 」

    元百人隊長の 山賊の親分が 激を飛ばします。


  「 ふざけた事を ぬかすな ~! 

    貴様も長く王様に仕え 禄を食んできたくせに。

    王様には 王様の お考えがあるのだろう、

    それは ワシら臣下の知る事ではないわ ! 」


  「 それが 人の道に外れていてもか ? 」


  「 ワシらは ご命令に ただ従うのみ、

    それが 忠臣というものだ 」


  「 間違ったことを諌めるのが

    本当の 忠臣ではないのか ? 」


  「 やかましいわ ! 

    貴様のような逆臣は 許しておけない !

    かまわぬ、こいつらを形が分からなくなるまで

    ミンチ肉に 切り刻んでしまえ ~~!

    今夜の夕飯は 血の滴るハンバーグステーキ

    食べ放題だぁぁあぁあああ ~! 」

    
    近衛兵長は 怒りに震え 吠えました。






         続 く