歩けメロス 6・5 メロス酒宴に遭遇 | 藤花のブログ 詩と

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この胸に 湧き上がる気持ちを 言葉にして あなたに贈りたい







  山賊の武装集団も 仲間に加わりました。

  先頭を行くメロスは タイマツを持たされて 

  夜の野原も 突き進まされます。



「 夜は 休もうよ ~

  疲れたよ ~ 許してよ ~ 」

  メロスは 泣き言を言います。


「 いいえ、いけません ! 

  この先 何があるかわからないでしょう、

  ギリギリに帰って 時間切れにでもなったら

  卑怯者の そしりは免れません。

  我々の行動は 水泡に帰してしまいかねませんよ ! 」

  義弟が 叱責します。
    

「 お兄ちゃんは ナマケモノなんだから、

  おまけに 足が短いんだから

  余計に 急がなくちゃダメでしょう ! 」  
  
  妹もメロスを責めます。


「 前門の虎、後門の狼かぁ 、、、 とほほ 」




                        Anonymous



  暗い野原で 焚き火をして その周りで、

  酒宴を開いている集団が おりました。

  踊りを踊ったり 歌を歌ったり 笛を吹いたり、

  太鼓を叩いたり 大騒ぎです。


「 お や ぁ ? 

  これは なんの行進れすかぁ ? れれれのれ 」

  酔っぱらいが メロスたちに声を掛けました。


「 酔っ払いどもめが この方は

  我々の新しい時代を切り開くために

  神の御意志で この世に使わされた 

  ありがた~い 救世主さまだぞ ! 

  道を開けなさい ! 」


  元兵士の 山賊の親分が

  ニヤリと笑い 大げさに答えました。


「 え ぇ ぇ ?  

  そんな立派な御方様とは つゆ知らず 

  失礼いたひまひた~。
 
  私たちもぅ 市中でぇ酒を飲んでぇ ~

  騒ぐわけにゃいかぁずぅ,

  こんな時代の 鬱積ひた気分を晴りゃすためにぃ、

  こんにゃ場所で 夜に密かに

  酒宴を開いていたのれ~す。

  にゃんだか 楽しそうなので、

  ぜひ お供に加えてくらさい ~ 。

  さぁ お近づきゅに 一杯どうじょぉ~ 

  酒壺に たぁ~っぷり はいってますよぉ、

  れれれのれ ~ 」






「 そうかい わるいねぇ きゅ~っ ごくごく ♪ 」

  酒に目のないメロスは 遠慮せずに飲みました。


「 い~い飲みっぷりゃぁにゃいですきゃぁあ、 

  さぁすがぁぁあ 救世主しゃまぁ もう一杯ぃぃ 」


「 お兄ちゃん そんなに飲んじゃぁ ダメよ 酒乱のくせに 」


「 そんな 酒でも飲まなきゃ やりきれないよ ~ 」


「 では 代わりに私が頂きます 」 と義弟


「 我々も いただきますかな 」

  もと兵士の 山賊の親分も言いました

  
「 お兄ちゃん あたし スイーツがほしいわ ♪ 」


「 すいません 妹は未成年なもので

  何か甘いモノはありますかぁ ? 」 


「 申し訳にゃい 私たち 飲ん兵衛ばかりにゃもにょで 

  塩辛いものしかにゃいんですよぅ れれれのれ ~ 」


「 つまんな~い ! 

  ショッパイ奴ら ! ぷりぷり !

  わたしの体内の エストロゲンが 

  甘いものを求めさせているのよぉぉおお ~ ! 」


「 もしも~し ? 

  ハイキングや 食べ歩きと間違えてないか~い ?

  オイラ これから怖い所に行かなきゃならないのに ~ 」


「 うるさいわよ !

  元はと言えば お兄ちゃんが、

  厄介事を 持ち帰ったからじゃないの ~!

  が る る る ~! 」


「 やっぱり 前門の虎、後門の狼かよ 、 

  トホホ、、、 」


  そんなこんなで賑やかな酒飲み集団も加わりました、

  歌、笛、太鼓、鳴り物で大騒ぎです。

  皆に酒が振舞われ 酔って陽気に踊り出す者たちもいます、

  さながら、カーニバルのようです。

  タイマツを使いファイヤーダンスを披露する者もいます、

  旅芸人の ドサ回り一座のような ありさまです。


「 なんだか 大げさで凄まじいことになってきたぞぅ

  このままで 進んでいいのかなぁ ? 

  どうしょうかなぁ ?

  収集が つかないかもね

  この先が怖いなぁ ~  」


「 こらぁぁ ~ 救世主しゃまぁ ~

  辛気臭い顔ひてぇ ~! だめだよ~ん !

  陽気に行かなきゃあ、ぎゃはははっ ♪ 」


  酔っぱらいが 絡んできました。


「 ほんとに こんなことで いいのかなぁ ~ 」


  メロスは 行く末が思いやられました。

 

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