歩けメロス 4・5 行進の始まり | 藤花のブログ 詩と

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この胸に 湧き上がる気持ちを 言葉にして あなたに贈りたい



   街道沿いには 噂を聞きつけた人々が

   手を振ったりしています、

   あちこちに王様の被害者家族,縁者がいたのです。


 「 がんばれ ~! 期待してるぞ ~! 」

 「 王を 打倒しろ ~! 」

 「 恐怖政治 反対 ~! 」

 「 共謀罪 反対 ~! 」

 「 増税 反対 ~! 」

 「 ワン ! ワン ! ワン ! 」

   犬もメロスの顔を見て 怯えて吠えます。


 「 なんだかなぁ ~ 

   とっても 大騒ぎになっちゃったなぁ 」

   メロスは とても心配です。

   新郎の仲間のネットワークも動き始めました。

   被害者の会の 親類縁者や知人が

   手に手に プラカードを持ち、 

   メロスの後ろから ぞろぞろとついてきます、

   歩くたびに 人が増えていきます。


 「 王の 横暴 許すまじ ~ ! 」

 「 王に 血の報いを ~ ! 」

 「 王を 高く吊るせ ~ ! 」


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  << びゅ~ びゅ~! >>


   メロスに 向かい風が 強く吹きつけます、
 
   青空を うねるような黒雲が覆い、

   ぽつりぽつり 雨が降り出し始め、

   やがて車軸を流すような大雨となりました、

   メロスは何か不吉なものを感じました。




                     Michel Brouwers




 「 ねぇ 雨だし 止めにしなぁい ~? 

   オイラ 虚弱体質なんだ、風邪ひくよ ~ 」


 「 何を言っているのですか ! 

   もう後戻りはできませんよ!

   進むのみ ! 」

   新郎の義弟が後ろから言いました 


 「 お兄ちゃん !

   往生際が悪いわよ しっかりしてよ !

   だらしないのは 顔と体だけにして ! 」

   新婦の妹も 同調しました。


   メロスの後に続く群集は それぞれに

   プラカードなどを頭に載せ雨をしのぎました。

   メロスは被るものもなく一人ずぶ濡れです。

   各々ヒステリックに叫び声を上げ

   狂気とも言える興奮しています。

   もはや誰にも止めることはできないでしょう。


   恐る恐る 後ろを振り向くと、 

   そこには長々と血気盛んな人々の行列がありました。

   メロスは 暗澹たる気持ちになりました


   嗚呼 事態は急転 心ならずも

   シラクス市に戻るハメに陥ったメロスは

   どうなってしまうのでしょう ? 



       続 く