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街道沿いには 噂を聞きつけた人々が
手を振ったりしています、
あちこちに王様の被害者家族,縁者がいたのです。
「 がんばれ ~! 期待してるぞ ~! 」
「 王を 打倒しろ ~! 」
「 恐怖政治 反対 ~! 」
「 共謀罪 反対 ~! 」
「 増税 反対 ~! 」
「 ワン ! ワン ! ワン ! 」
犬もメロスの顔を見て 怯えて吠えます。
「 なんだかなぁ ~
とっても 大騒ぎになっちゃったなぁ 」
メロスは とても心配です。
新郎の仲間のネットワークも動き始めました。
被害者の会の 親類縁者や知人が
手に手に プラカードを持ち、
メロスの後ろから ぞろぞろとついてきます、
歩くたびに 人が増えていきます。
「 王の 横暴 許すまじ ~ ! 」
「 王に 血の報いを ~ ! 」
「 王を 高く吊るせ ~ ! 」
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<< びゅ~ びゅ~! >>
メロスに 向かい風が 強く吹きつけます、
青空を うねるような黒雲が覆い、
ぽつりぽつり 雨が降り出し始め、
やがて車軸を流すような大雨となりました、
メロスは何か不吉なものを感じました。
Michel Brouwers
「 ねぇ 雨だし 止めにしなぁい ~?
オイラ 虚弱体質なんだ、風邪ひくよ ~ 」
「 何を言っているのですか !
もう後戻りはできませんよ!
進むのみ ! 」
新郎の義弟が後ろから言いました
「 お兄ちゃん !
往生際が悪いわよ しっかりしてよ !
だらしないのは 顔と体だけにして ! 」
新婦の妹も 同調しました。
メロスの後に続く群集は それぞれに
プラカードなどを頭に載せ雨をしのぎました。
メロスは被るものもなく一人ずぶ濡れです。
各々ヒステリックに叫び声を上げ
狂気とも言える興奮しています。
もはや誰にも止めることはできないでしょう。
恐る恐る 後ろを振り向くと、
そこには長々と血気盛んな人々の行列がありました。
メロスは 暗澹たる気持ちになりました
嗚呼 事態は急転 心ならずも
シラクス市に戻るハメに陥ったメロスは
どうなってしまうのでしょう ?
続 く