狼のブルース 14 | 藤花のブログ 詩と

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この胸に 湧き上がる気持ちを 言葉にして あなたに贈りたい




「 ほ~んとに 豚って バカばかりじゃん 

  美味しく太って 喰われるだけ

  おいらのために ご苦労様ってか ♪ 」

  重く丈夫なドアを開けて 

  狼は レンガの家に入りました。

「 おやぁ どなたか いませんか ?

  声がしたのに 変だなぁ ? 

  なんだか 外観に比べて 異様に狭い家だぞ 」


  狼は 周りを見回しました。

「 ふ~ん 壁が 無駄に厚く作られているんだなぁ、

  がはは 馬鹿め ! 

  俺様が入っちまったら 丈夫な壁もドアも 

  何の役にも立たないじゃないか、

  豚の考えることは なんて トンマなんだ

  うわっはははははははははははは ♪ 」





















<<<  バ タ ~ ン ! >>>

  ドアが 閉じました。


「 なんだ ? どうしたことだ 」

  狼は ドアを開けようとしました。

「 おゃあ ? ドアが開かないぞ !

  部屋の奥には 小さな窓があるが 

  鉄格子が つけられている、 

  これじゃぁ 出られないじゃぁないか !

  お~い ! 誰かぁぁあ ~!

  開けろぉぉぉおお ~ ! 」

  狼は ドアの鉄格子越しに 大声で叫びました。


  その時、ドアの外から 声が聞こえました。

「 あははは 残念だったねぇ オオカミさん ♪ 」

  と ビッグ。

「 何 ? 残念だとぉお ? 」

「 うふふふ その鉄格子が お似合いだねぇ ♪ 」

  と ミッド。

「 てめえら 何を言ってやがる ! 」

「 えへへへ 鉄格子の窓の外から あんたを呼んで

  部屋の中に おびき寄せたんだよ ~♪ 」

  と ビット。

「 なんだとぉぉぉおおお ~! 」 

「 最初の藁の家で こんがり丸焼きに

  するつもりだったんだけどなぁ 

  さすがに 札付きのオオカミだね

  逃げられちゃったよ 」

  と ビッグ。

「 この野郎 !

  ワザと火事を 仕掛けやがったのか ~! 」

「 ピンポ~ン ♪

  そうだよ おびき寄せて 迷路に入り込んだ時 

  火をつけて 僕は藁の隙間から

  さっさと 外に出たのさ、

  でも 逃げられちゃったねぇ あはは ♪ 」

  と ビッグ。

「 じゃぁ 木造の家も そうなのか ~!? 」

「 そうだよ あんたも気付いただろう ?

  屋根が異常に重く いびつに作ってあったんだよ~。

  柱も細く そこに切れ込みも 入れておいたのさ、

  隠し扉から外に出て 

  ロープで引っ張って、家を崩して、

  あんたを ぺっちゃんこにして

  オオカミ梅ジャムせんべいにする予定だったのに、

  あんたが 一瞬先に 柱を蹴り倒したから

  計画通りには 上手く 潰れなかったみたい、 

  さすがに あんた 悪運が強いねぇ 」

  と ミッド。

「 するってぇと この家もか ! 」

「 そうで~す オオカミ専用の 牢獄だよ~、♪ 

  あんたの これまでの罪状で 有罪 !

  仮釈放のありえない 終身刑です ~♪ 」

  と ビット。

「 他の オオカミたちの 見せしめにもなるしね 」

  と ミッド。

「 まぁ ゆっくりしていってね 

  先は 長いよ。

  あはははははははは  ♪ 」

  と ビッグ。

「 騙された ~!

  おいら まだ 一匹も 豚を食べてないのにぃ ~ !

  ギャオ~ン ~! 」

  狼の悲しい叫びは 遠い山まで響きました。

  他の狼達は その叫び声に 震え上がりました。

  どうやら その村には 狼も敵わない

  恐ろしい生物がいるらしいと。

「 馬鹿だね ~ このオオカミ 

  ふつう 2度目で 分かりそうなものだけどなぁ 」

  と ビット。

「 自分の おバカさに 気づいていないんだね 」

  と ミッド。

「 他者を 侮ってはいけないという

  良い教訓には なったろう

  今更 手遅れだけどね。

  水なし 食事なしで いつまでもつかなぁ。 

  しばらくしたら 見に来ようか 

  ミイラになった オオカミをね 」

  と ビッグ。

「 それは 楽しみだねぇ 」

  と ミッド。

「 剥製に しようかな 」

  と ビット。

「 あはっはあははははははっ ♪ 」

「 うしゃしゃしゃしゃしゃしゃ ♪ 」

「 ぎゃっはっははははっははは ♪ 」

  三匹は 顔を見合わせ 満足そうに

  大笑いしました。

「『 自分こそ正しい 』 という考えが、

  あらゆる進歩の過程で 最も頑強な障害となる、

  これほど馬鹿げていて 根拠のない考えはない 

 ( J.G.ホーランド ) ということだね 」




  
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「 ばぁろぉぉおお ~! 出せ ~ ! 

  く そ ~! 

  こんなに頑丈な壁 作りやがって ~! 

  あぁぁ ~ 腹へったぁぁああ ! 」


  狼は 空腹で 床に崩れました。

  悔し紛れに 床を 力なく叩きました。











「 おゃあ ~? 

  床は 土の ままじゃん 、、、、、 」

 
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