偽作 白雪姫 18 | 藤花のブログ 詩と

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<  じゅぼっ ! >

  高性能爆弾の導火線に 火が点けられました


「 白雪 ! 王子 ! レスラーども !

  おまえら まとめて 地獄の底まで吹き飛ばしてやる 

  覚悟しやがれ ~! お~ほっほほほほ ♪ 」

  王妃は両手に持った爆弾を投げつけようとしました


「 させるか ! 」

  王子は いつの間にか フードコーナーにあった 

  未開封の シャンペンボトルを手にしていました 

  それを素早く振り ボトルの栓を指で弾きました


<<  しゅぽ~ん ! >> 

<<  ぷっしゅ~! >>

<<  じ ゅ う っ !  >>

<<  じ ゅ う っ !  >>


  泡とともに 勢い良く吹き出したシャンペンが 

  爆弾の導火線の火を消しました


「 しまったぁぁあああ ~! 」

「 おやぁ 王妃様 ~

  また また 失敗しちまいましたねぇ ~ 」

「 くっそぉお ! おまえがマッチ持ってないから !

  一手間かかり 邪魔されちゃったじゃないか ~! 」

「 あぁ 人のせいにして ~

  出かける時は忘れ物しないように 

  子供の頃 しつけられなかったですかぁ ~ ? 」

「 バカモ~ン ! 

  プリンセスに生まれついた私は

  羽根扇子以外のものは 持ち歩かないのさ !

  すべて 侍従の者が持ち歩くのさ

  おまえのような下賤のものと

  一緒にすんな ~ ! 」


「 あぁそうですか 

  ずいぶん重いものを隠し持っていましたけどねぇ

  そうですか 下賤 ( げせん ) ですか

  下賤で 悪かったですねぇ

  おまけに わたくしめ 実は下品なんですよ 

  今度は女衒 ( ぜげん ) にでもなっちゃおうかな

  うっひひひひ ♪ 」


「 おまえは 下品どころか

  下劣な 下等生物だろうがぁあ ~! 」


「 し ど い ! 

  これでも昔は 将来を嘱望された

  有名な 経済学者だったんですよ ~! 」


「 変態行為で 職を追われたんだろ 

  誰が お前を拾ってやったと思ってんだ ~! 」


「 あまりに聡明な切れ者の 

  経済学者の わたくしめの存在を恐れ

  時の権力者と官僚が結託して 国策逮捕したんですよ !

  冤罪なんですよ ~! 」


「 えぇぇ それ ホントかぁ ? 」


「 そういう噂を 広げようと思ったんですが 

  失笑をかいました トホホ ~ 」


「 ばぁ~かぁめ ! 

  誰も 変態の言い訳なんか

  聞くわきゃないだろうが ~! 」


「 変態 変態って言わないでくださいよ 

  わたくしめは プライド高いんですよ

  変質者と言って欲しいものですなぁ ! 」


「 バカか ! 

  言い方変えても 本質は同じだろうが ! 」



「 はい はい お二人さん

  醜い言い争いは そこまでだ

  さあ衛兵よ 王妃と従者を捕まえて

  牢獄に ぶち込んでおけ ! 」

  王子が 会場に入ってきた兵士たちに命じました

  兵士たちは ぐるりと 王妃を取り囲みました


  その時 白雪姫は前に進み出て彼らを制し

  穏やかに そして威厳に満ちた声で言いました


 「 お待ちください 」
  

     続 く