< じゅぼっ ! >
高性能爆弾の導火線に 火が点けられました
「 白雪 ! 王子 ! レスラーども !
おまえら まとめて 地獄の底まで吹き飛ばしてやる
覚悟しやがれ ~! お~ほっほほほほ ♪ 」
王妃は両手に持った爆弾を投げつけようとしました
「 させるか ! 」
王子は いつの間にか フードコーナーにあった
未開封の シャンペンボトルを手にしていました
それを素早く振り ボトルの栓を指で弾きました
<< しゅぽ~ん ! >>
<< ぷっしゅ~! >>
<< じ ゅ う っ ! >>
<< じ ゅ う っ ! >>
泡とともに 勢い良く吹き出したシャンペンが
爆弾の導火線の火を消しました
「 しまったぁぁあああ ~! 」
「 おやぁ 王妃様 ~
また また 失敗しちまいましたねぇ ~ 」
「 くっそぉお ! おまえがマッチ持ってないから !
一手間かかり 邪魔されちゃったじゃないか ~! 」
「 あぁ 人のせいにして ~
出かける時は忘れ物しないように
子供の頃 しつけられなかったですかぁ ~ ? 」
「 バカモ~ン !
プリンセスに生まれついた私は
羽根扇子以外のものは 持ち歩かないのさ !
すべて 侍従の者が持ち歩くのさ
おまえのような下賤のものと
一緒にすんな ~ ! 」
「 あぁそうですか
ずいぶん重いものを隠し持っていましたけどねぇ
そうですか 下賤 ( げせん ) ですか
下賤で 悪かったですねぇ
おまけに わたくしめ 実は下品なんですよ
今度は女衒 ( ぜげん ) にでもなっちゃおうかな
うっひひひひ ♪ 」
「 おまえは 下品どころか
下劣な 下等生物だろうがぁあ ~! 」
「 し ど い !
これでも昔は 将来を嘱望された
有名な 経済学者だったんですよ ~! 」
「 変態行為で 職を追われたんだろ
誰が お前を拾ってやったと思ってんだ ~! 」
「 あまりに聡明な切れ者の
経済学者の わたくしめの存在を恐れ
時の権力者と官僚が結託して 国策逮捕したんですよ !
冤罪なんですよ ~! 」
「 えぇぇ それ ホントかぁ ? 」
「 そういう噂を 広げようと思ったんですが
失笑をかいました トホホ ~ 」
「 ばぁ~かぁめ !
誰も 変態の言い訳なんか
聞くわきゃないだろうが ~! 」
「 変態 変態って言わないでくださいよ
わたくしめは プライド高いんですよ
変質者と言って欲しいものですなぁ ! 」
「 バカか !
言い方変えても 本質は同じだろうが ! 」
「 はい はい お二人さん
醜い言い争いは そこまでだ
さあ衛兵よ 王妃と従者を捕まえて
牢獄に ぶち込んでおけ ! 」
王子が 会場に入ってきた兵士たちに命じました
兵士たちは ぐるりと 王妃を取り囲みました
その時 白雪姫は前に進み出て彼らを制し
穏やかに そして威厳に満ちた声で言いました
「 お待ちください 」
続 く